集団的自衛権について「保有しているが行使はできない」としてきた政府の現行憲法解釈は、日本の安全保障体制にとって最大の欠陥でしたが、その見直しに安倍晋三政権が本格的に動き出しました。 安倍政権はまず、時代や国際情勢が変化してもかたくなに従来の政府の憲法解釈を守り続けてきた内閣法制局の長官に、集団的自衛権行使に前向きな小松一郎前駐仏大使を起用しました。外務省出身者の起用は異例で、これは戦後の歴代首相が必要性を感じながらも世論の批判を恐れてできなかった内閣法制局の改革に初めて踏み出したことを意味しています。 また、第1次政権で安倍首相が設置し、第2次政権で活動を再開させた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇、座長・柳井俊二元駐米大使)は、今秋にも集団的自衛権行使容認を求める報告書を提出する予定です。 その後、安倍政権は国民の理解を得ながら集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見