福島第一原発事故による放射能汚染の除染費用をめぐり、内閣府の原子力被災者生活支援チームが東京電力に代わって支出した約千八百億円のうち、東電側に十五億円しか返済を求めていなかったことが分かった。支援チームの主体は東電を所管する経済産業省の職員。これまでに六百億円強の除染費用を請求した環境省とは対照的で、政府内部からも「東電に配慮しているのではないか」との批判が出ている。 (桐山純平) 国の除染事業は、復興予算から国が立て替えて支払った後、東電側に請求する仕組みで、現在は環境省が担当している。内閣府の支援チームは除染特別措置法が施行される二〇一二年一月以前に予算化された事業を行っていた。 支援チームは一一年、福島県内の市町村が行う除染費用として福島県に二千億円を基金として交付。このうち一一、一二年度に千七百十億円が使われた。また高濃度の地域などで国が主体となって行う除染にも、支援チームは百五十