大阪市中心部で美術館を拠点に集客を図ろうとする提案が相次ぎ、構想乱立の様相を呈している。橋下徹市長が府立中之島図書館(同市北区)を、松井一郎大阪府知事が府本庁舎(同市中央区)を、それぞれ美術館に転用するアイデアを披露、府市の有識者会議も美術館整備計画をまとめた。市内に美術館整備を待望する声はあるが、転用のための施設整備やコストなどハードルは高い。 「図書館を空けてやってもらえませんかね」。19日の府市統合本部会合で、橋下市長は中之島図書館の用途見直しを打ち出し、美術館に利用する考えを後日示した。同館は1904(明治37)年、住友家の寄付で開館。重厚な洋風建築で、公立図書館としては全国でただ一つ国の重要文化財に指定されている。