THE KYOTOではこんな記事も 連載「孤高のダンディズム」 長期入院を経てついに決断 「やる気はあるんやけど、このように病気したさかい、しょうがないわ」 4代目店主の髙井昌子さん(89)が店舗とつながる自宅のベッドで語った。 昌子さんは3代目の夫・辰三さんが約25年前に亡くなって以来、一人で店を営んできた。古本がうずたかく積まれた店内の奥でいつも静かにいすに座る姿が印象的だった。 一昨年の夏に長期入院を余儀なくされ、長くシャッターを閉じていたが昨年末をもって正式に閉店の手続きをした。今年3月に入り、店の外に「閉店することになりました」と長年の愛顧を感謝する張り紙を掲げた。 明治40年頃、新京極で創業 「100年やから、やっぱり残念です」 創業は1907(明治40)年頃。当初の場所は近くの新京極通三条下ルで、大正初期にすぐそばの三条通寺町東入北側に移転した。さらに、現在の河原町通三条下ル
暮らしを豊かにし、知的文化の拠点となる京都府福知山市立図書館。惇明小学校の一室でスタートしてから開設100周年を迎える記念の年となる。さらには、中央館が市民交流プラザ=駅前町=に移転し、10周年という節目も迎える。 市立図書館によると、1924年(大正13年)9月、内記五丁目の惇明小学校の一室で福知山町立図書館として開設したのが始まり。開館当初の所蔵数は1363冊で、その大部分は有志の寄贈によるものだった。事務は惇明小学校の職員が兼務していたという。 46年(昭和21年)11月には、御霊公園にあった市立迎賓館内に移転し、市立図書館として開館。場所は、御霊神社本殿の北側あたりで、現在は駐車場になっている。 当時の図書館をよく利用していた山段誠さん(76)=下新町=は、「本を借りたり、休みの日には勉強に行っていました。16ミリの映写機やフィルムの貸し出しもあって、家で見たのを覚えています。昔な
国家の「知」を支えるべく国立の図書館、帝国図書館が作られたのは明治時代。誕生までの道のりはもとより、以降も困難な歩みを続けることになりました。その軌跡を周到に描き出した『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』の著者・長尾宗典さんにお話をうかがっています。 (2024年3月14日に国立国会図書館で長尾さんの講演とパネルディスカッションが開催。詳細はイベント告知ページでご確認ください) ――長尾さんの初の単著は『〈憧憬〉の明治精神史』で、高山樗牛や姉崎嘲風らを扱ったものです。その次に書かれたのが『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』ですから、かなり異なるテーマのように思われます。ご執筆の経緯などをお教えください。 長尾:大学に移る前、私は11年ほど、国立国会図書館(以下NDL。)に司書として勤務していました。日本近代史を専攻していた大学院生の頃は高山樗牛や姉崎嘲風のことばかりやってきたのですが、
紹介 明治期から現在までの図書館は女性にどのようなサービスや資料提供を行ったかをジェンダーの観点から文献により検証・考察した一冊。戦前に存在した婦人閲覧室や戦後に設立された男女共同参画センター・女性情報ライブラリーについて取り上げ、その存在意義を再確認できる。日本の図書館におけるジェンダー問題を可視化し、関連資料提供の際のヒントに。「巻末に索引」付き。 青木 玲子 (アオキ レイコ) (著/文) 1945年北海道生まれ。東京都婦人情報センター・東京ウィメンズプラザ情報担当係主任専門員(1984~2001年)、越谷市男女共同参画支援センター所長(2001~2006年)、国立女性教育会館情報課客員研究員(2009~2020年)、東海ジェンダー研究所理事(2018年~現在) 【主要論文】「図書館とSDGs: ジェンダー視点をターゲットとして」『専門図書館』(306) 2021年 ほか。
明治時代に初めて作られた英文の京都ガイドブックはどんな内容だったのか-。京都府立図書館(京都市左京区)の司書が、同館の前身「集書院」で印刷したとされるガイドブックの来歴を探究している。府の史料や関係者の証言をたどり、印刷時期や原本について推測した論考を昨秋に発表した。司書は「ガイドブックはいくつもバージョンがあり、最初にできた原本の行方は謎のまま」と、さらに調査を続けている。 司書は堀奈津子さん。昨年、集書院が開館して150年となるのに合わせてガイドブックについて調べ始めた。 ガイドブックは、元会津藩士で京都府顧問を務めた山本覚馬と丹羽圭介らが作成し、1873年3月の第2回京都博覧会以降に外国人向けに配布されたことが知られている。ただ堀さんによると、集書院で山本の妹・新島八重らと印刷したという丹羽の証言があるものの、公的な記録にはなく、正確な日付は不明。表題の異なる複数のバージョンが確認さ
2023年11月27日、慶應義塾大学メディアセンターが、『慶應義塾図書館史Ⅱ』を刊行したと発表しました。 昭和45(1970)年度から令和元(2019)年度までの50年間のメディアセンター(図書館)の歴史をまとめたものです。同学の学術情報リポジトリ上でPDF版が公開されています。 「慶應義塾図書館史Ⅱ」刊行(慶應義塾大学メディアセンター, 2023/11/27) https://www.lib.keio.ac.jp/news/007853_Jp.html 慶應義塾図書館史Ⅱ(慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)) https://doi.org/10.14991/KO12004003.00000002 参考: 長尾宗典. 近年の図書館史(単館史)編纂の傾向. カレントアウェアネス. 2015, (325), CA1856, p. 11-14. http://current.ndl.
帝国図書館。それは、昭和24(1949)年まで上野に存在していた日本最大級の図書館であり、現在の国会図書館の前身にあたる図書館である。当時の一等国には必ず国営の図書館があることから、日本国最大の図書館、東洋一の図書館を築き上げようとしただけでなく、日本国中に図書館による社会教育環境を成り立たせようとした人達の藻掻き苦しみをまとめたのが本書である。 現在日本の図書館環境が満足行くものであるとは言えない。特に図書館司書に対する待遇は目を覆うばかりの惨状であるとするしかない。それでも、戦前の日本に公共図書館を用意した人達の苦労、そして、その時代の日本の環境下においては最善の社会教育を実現させたことは事実であり、かの時代の図書館に携わった方々の尽力がなければ現在の図書館もあり得なかったであろう。 無論、その時代ならではの制約があったことは否めない。無料で利用できるわけではなく、建物の大きさから蔵書
文学通信|多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出す出版社 日本語・日本文学の研究書を中心に、人文学書全般を刊行する出版社、文学通信のブログ。 文学だけにこだわらず周辺領域も含め、意欲的に刊行していきます。 出版活動と同様に、webでも積極的に活動することで、多様な情報をつなげ、多くの「問い」を世に生み出していきたいと思います。 〒113-0022 東京都文京区千駄木2-31-3 サンウッド文京千駄木フラッツ1階101 電話03-5939-9027 FAX03-5939-9094 info@bungaku-report.com インボイス登録番号:T4011501023591 コーナートップへ 第一回「コンピューティング」の歴史学 前山和喜 ▶︎コンピューティング史 ≠ コンピュータ史 一般的な「コンピュータの歴史」は、チャールズ・バベッジ、ジョン・フォン・ノイマン、アラン・チューリ
nagaomunenori @nagaomunenori 本日こちらに参ります。お会いするのが楽しみです。よろしくお願いします。 タグはいつものように #関西文脈39 で良いでしょうか。 twitter.com/k_context/stat… 2023-07-01 07:56:24 関西文脈の会 @k_context 第39回勉強会の発表者は長尾宗典氏、課題図書は中央公論新社『帝国図書館』です。申し込みフォームにて、事前質問も受け付けております。ご参加をお待ちしております。 toshokanshi-w.blogspot.com/2023/06/39.html 2023-06-07 22:37:31
「帝国図書館」長尾宗典著 帝国図書館とは、明治30(1897)年に設立された近代日本の国立図書館。昭和22(1947)年に国立図書館と改称、その2年後に新たに設立された国立国会図書館に統合され、その役割を終えた。当時の建物は、現在、国際子ども図書館(上野)として利用されている。 帝国図書館では、利用の際には閲覧料を徴収され、本は館内での閲覧が原則で持ち出しは許されていなかった。さらに本を閲覧するためには、目録のなかから目当ての書名を探し出し、必要事項を記した請求票を係員に提出して書庫から出してもらっていたという。 明治5(1872)年、湯島聖堂に設置された「書籍(しょじゃく)館」を前身とする帝国図書館の歴史をたどり、日本社会に果たした役割を考察したテキスト。 (中央公論新社 1012円)
中公新書の1冊として拙著『帝国図書館――近代日本の「知」の物語』が間もなく刊行されます。見本が届きました。 出版社側からも了解をいただいたので、目次を掲載しておきます。 歴史や読書にご関心のある方、また図書館って何だろうと感じた方に届けば幸いです。どうかよろしくお願いいたします。 まえがき 序 章 近代日本と図書館 1 図書館の受容 「思想」を仕入れる場所 昔の図書館の姿 翻訳語としての「図書館」 文庫・書籍館・図書館 2 国立図書館 図書館の種類 世界の国立図書館 納本制度 コラム1 帝国図書館史研究のあゆみ 第一章 多難なる船出 1 書籍館誕生 政府による図書館の設置 文部省設立と市川清流の建白 文部省博物局書籍館の設立 2 博覧会事務局との合併・分離 博覧会事務局との合併 田中不二麿の分離要求 博覧会か図書館か 浅草文庫のこと 3 東京書籍館 東京書籍館の出発 資料収集と納本制度 目
令和4年12月14日から令和5年1月17日までの間、第33回保存フォーラムをオンライン動画配信の形式で開催しました。動画視聴者数は295名でした。 3名の方からの報告と、事前に寄せられたご質問に対する質疑応答・意見交換の模様を動画に収録して配信いたしました。 報告1は、ケンブリッジ大学ブック・アンド・マニュスクリプト・コンサバターの松丸美都氏から、「活用」と「保存」のバランス、修復事例の紹介、アーキビストやライブラリアンとのコミュニケーション・修復過程の記録の必要性等について報告していただきました。 報告2は、製本家・書籍修復家の岡本幸治氏から、日本大学図書館法学部分館所蔵の西洋法制史コレクションに対する調査と保存作業等に関して報告していただき、実物の革装本を用いた洋古書の取扱いの実演をしていただきました。 報告3は、慶應義塾大学三田メディアセンター課長の倉持隆氏から、貴重書コレクションの
Online ISSN : 2186-103X Print ISSN : 0386-0507 ISSN-L : 0386-0507
和田敦彦. 『「大東亜」の読書編成 : 思想戦と日本語書物の流通』. ひつじ書房, 2022.2. https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1129-8.htm ----------------------------------------------------- 第三部「流通への遠い道のり」 第8章 戦時期の日系人移民地の読書空間 --日本語出版情報誌から 第9章 戦争表象を引き継ぐ --『城壁』の描く南京大虐殺事件 ■第8章 戦時期の日系人移民地の読書空間 --日本語出版情報誌から ブラジル日系移民 雑誌(書籍情報) ・書物が拡がり、読者に働きかける、その仕組み・機能について、ブラジル・サンパウロ州の日系人移民地、日本語書籍情報雑誌『文化』(1938~)に見る。 ・雑誌『文化』: 書籍情報誌。1938.11-1939年
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