拙著『帝国図書館―近代日本の「知」の物語』(中公新書)をお買い上げくださった方、すでにお読みいただいた方、どうもありがとうございます。本当に感謝しております。 本書刊行後、何人かの友人から、どうやって書いたのか、どのくらい時間をかけたのか聞かれました。その回答かたがた、執筆余録として書き残しておこうかと思います。 執筆期間ですが、準備期間含めて入稿まで3年半、本腰入れて書き始めてからはだいたい1年弱です。 準備期間として、まず年表作成にかなり時間がかかりました。 本書のあとがきにも書いたとおりですが、この本は帝国図書館文書『上野図書館沿革史料集』の記事を一つ一つExcelに入力することから始めました。 これは、支部上野図書館時代の職員の方が、帝国図書館文書などを見て重要と思われた事項を抜き書きしたものです。 リンク先のデジコレの画面をご覧いただけるとわかると思うですが、1つの文献から複数の
2023年2月3日、日付が変わるギリギリで思い出した豆をひとりで、鬼のお面をしながら、四方八方にまき散らしていたときでした。鬼みずから。少子化。 「岸田奈美さんのエッセイが、難関中学の今日の入試問題に出ました!」 なんですって! 調べたところ、東京の筑波大学附属駒場中学校だった。都内……偏差値……1位……!? 昨年は、京都大学医学部の入試でミャンマー行きのエッセイを、灘中学校の模試でバズった母のエッセイを使ってもらった。偏差値が、偏差値が軽々とスキップでわたしの頭を飛び越えていく。 出題されたのは、光村図書「飛ぶ教室 第65号(2021年4月発行)」に寄稿し、「ベスト・エッセイ2022(2022年8月発行)」に転載されたエッセイ。 ダウン症の弟が、ガラスを割った罪を、近所の子どもからなすりつけられそうになったときのこと。なつかしい。 設問も一緒に、読ませてもらったから、解こうとした。 結果
この記事は、執筆業を15年(専業5年/副業10年)ほど続けている人間が、どのように原稿を書いているかを解説する、執筆メイキング記事です。 私が2年、寄稿していた『本の雑誌』新刊レビュー原稿を例として、初稿から完成稿までどのようにバージョンを重ねているか、説明します。 ◆【前置き】この記事を書いた背景◇想定読者想定読者は、「原稿をなかなか書き出せない人」「原稿を書くのに時間がかかる人」「原稿を思うように書けずに苦悶している人」です。 ◇きっかけもともと本稿は、執筆に悩む家族のために書いた、家庭内閲覧用の文書です。 家族(執筆の専業経験なし)は、たまに専門領域の記事や書籍の執筆依頼を受けて書いています。執筆するたびに「書けぬ……書けぬ……もうだめだ……」とうめきつつ、どうにか書き上げるのが風物詩でしたが、今とりかかっている原稿はとりわけ難産らしく、毎日「何の成果も!得られませんでした!!」状態
正確にいうと、書く意欲が湧かなくなった。 僕は、ネットとかにあれやこれやの思ったことを書き続けていれば人生はなんとか進んでいくだろう、と思って今までやってきた人間なので、書けなくなるのは困る。これからどんなふうにやっていけばいいんだろう。 なぜ書けなくなったのだろうか。いろいろ思い当たることはある。 ・大体書きたいことは書いてしまった ・長く書き続けてきたので自分の書くことに飽きてきた(会社をやめてブログを熱心に書き始めてから15年、最初に本を出してから10年) ・シェアハウスをやめて一人暮らしになったのでいろんな情報にさらされる度合いが減った(最近はテレビとかよく見ていて普通になった) ・ネット全体の雰囲気が自分に合わなくなってきた ・40代になっていろいろエネルギーが減ってきた かつての自分は、ツイッターに断片を書き散らす→そういうのがある程度まとまったらブログに書く→もっとまとまった
「人々にまじって生活しながら、しかも孤独でいる。これが、創造にとって最適な状況である。このような状況は都会にはあるけれども村とか小さな町にはない。創造的状況の他の構成要素は、きまりきったこと、刺激のなさ、さらに少々の退屈と嫌悪など… https://t.co/K5ymyBZign
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