能登半島地震で、文化財も深刻な被害を受けた。文化庁などが12日から現地調査を始めたが、災害現場では人命救助や生活インフラの復旧が優先され、歴史的な建造物や博物館の収蔵品など被害の全容はつかめていない。 そんな中、個人的にSNS(ネット交流サービス)を使い、被災した文化財の情報を収集・整理している文化財研究者がいる。遠隔地でもできる文化財保護の初動対応として注目を集めそうだ。 「現地に行くことが困難でも、デジタルの世界であれば貢献できることがある」。奈良文化財研究所(奈良市)の高田(たかた)祐一・主任研究員(40)はそう力を込める。