関西大学の西澤英和教授が、吉田寮舎保全活動の根拠として以下の文章を寄稿してくださいました。寮舎の構造について述べられた文章です。 関西大学・環境都市工学部・建築学科の西澤教授は木造建築の補修保全の第一人者です。京都大学工学部建築学科に在職中には京大の木造建築物の調査を実施されるなど、吉田寮とも縁の深い方です。 関西大学西澤研究室 http://www.arch.kansai-u.ac.jp/hozon2/index.html 2012年3月4日 古い木造建築の構造対策を考える -吉田寮と旧食堂を巡ってー 西澤英和 ●はじめに 吉田寮、学生集会所、そして旧食堂などの洋風木造建築群はぼちぼち竣工百周年を迎えるという。 少し余談になるが、私が京都大学に入学したのは1970年。世間は大阪万博に沸き立つ一方、やや下火になりかけてはいたが、学園紛争の火の手はいたるところで強かった。あの頃わが国の人口は