〈おじさんが おばさんが 昔話しちゃうのは 17歳に戻りたいから〉 〈おじさんが おばさんが 昔話しちゃうのは 17歳には戻れないから〉 物語が折り返しを過ぎた『不適切にもほどがある!』(TBS系)。第6話「昔話しちゃダメですか?」のミュージカルシーンで歌われた、一見真逆だと思われる事柄が背中合わせで共存する歌詞を聞き、どうやらこの「逆も真なり」が、本作の骨子なのではないかと思えてきた。 1986年(昭和61年)から、38年後の2024年(令和6年)の世界にタイムスリップしてきた昭和10年生まれ、50歳の体育教師・小川市郎(阿部サダヲ)は、骨の髄まで昭和の価値観に染まった昭和のおじさんだ。2024年を生きる人々は、令和の常識から考えれば不適切極まりない市郎の言動にふれて驚愕し、あるいは憤りながら、ふと考える。「ダメダメ尽くし」の令和のコンプライアンスが禁じるところの、「ダメ」の実態とは一体