造船シェアで国内首位、世界でも4位の今治造船(愛媛県今治市)。非上場のオーナー企業ゆえその実態がほとんど知られていないトップメーカーが業界再編に動き出した。トヨタ自動車の次に鉄を買い、ライバルの三井・三菱グループもなびく。謎多き造船集団をけん引するオーナー檜垣家の素顔とは。三井系造船会社を買収「資金はどうとでもできる。引き受けるのがいいんじゃないか」。今治造船社長、檜垣幸人(55)が重い口を
中小企業が激減 ──長年現場を歩かれた実感は。 とにかく事業者数の激減ぶりはすごい。とりわけ製造業は減少が止まらない。 個別産業への訪問をずっと続けているが、最近遭遇したのはたとえば糸染めや印刷製本関連の打ち抜き。糸染め業者は30年前に全国に1000以上を数えたが、今80。東京に限っていえば、90あったものが今や8にとどまる。装置産業の糸染めは、海外にミシンとともに出ればいい縫製と異なり、繊維関連でも国内に残った。残ったのはいいが、仕事は100分の1以下。儲からなくなって後を継ぐ人が極めて少ない。 もう1つの打ち抜きは簡単にいえば厚い紙を打ち抜く作業を手掛ける。ピーク時、全国に100ぐらいあったのが、今は5~6。そのうち続きそうなのは1業者のみ。ここだけは後継ぎがいる。 ──創業も少ない? 国は新規創業を促そうと、各種の政策を打ち出している。ベンチャーキャピタルの創成やインキュベーター施設
出版大手の「KADOKAWA」は、所沢浄化センター跡地(埼玉県所沢市東所沢和田)に建設を予定している新社屋の施設の概要や完成予想図などを公表した。 東京都千代田区にある本社機能の約半分を移す方針で、1月31日に同センター跡地で記者会見した松原真樹社長は、本社所在地も所沢に移す可能性が高いことを明らかにした。 施設は、「ところざわサクラタウン」と名づけた約4万平方メートルのエリアに、地上6階、地下2階建て、建築面積約2万5000平方メートルの建物を建設する。印刷工場や物流倉庫、会社事務所、ホテルなどが入る棟と、図書館や美術館などの複合文化施設の棟が1階でつながる構造となっている。 複合文化施設にはアニメ専門の美術館や、約12万冊所蔵の図書館などが入り、有料での一般開放を予定している。開業は2020年夏の見込み。 松原社長は「旧来型オフィスではなく、出版製造の物流改革を実現したい」と語った。
2017年12月31日、中国は“洋垃圾(外国ゴミ)”の輸入を禁止した。それは2017年7月27日付で中国政府“国務院”が、全国の省・自治区・直轄市政府ならびに国務院関係部門に対して下達した『外国ゴミの入境を禁止する固体廃棄物輸入管理制度の改革推進実施法案の通知』(以下「法案通知」)に基づくものであった。 監督管理制度を完全なものに 法案通知には以下の内容が明記されていた。 【1】主要目標: 固体廃棄物の輸入管理を厳格化し、2017年の年末前に、環境に危害が大きく、人々の意見が強烈な固体廃棄物の輸入を全面的に禁止する。2019年の年末前に、国内資源で代替可能な固体廃棄物の輸入を徐々に停止する。固定廃棄物の輸入、輸送、利用などの各ポイントに対する監督・管理を持続的に強化することを通じて、生態環境の安全を確保する。外国ゴミの密輸取り締まりに高圧姿勢を保持し、徹底的に外国ゴミの入境を阻止する。資源
日本郵便が情報システムで使うハードウエアに関する保守契約の方針を刷新する意向を固めた。日経コンピュータの取材で分かった。 24時間保守を原則として採用せず、故障機器の修理を1週間分まとめて実施するなど過剰サービスを減らして、ハード保守費を従来の2割程度に減らす。2018年夏以降の新規入札案件から新方針を適用する。既存の保守契約は既に条件を見直す交渉に入った。 鈴木義伯専務執行役員CIO(最高情報責任者)は「現行の保守契約はITの技術変化を反映していない。サービス過剰でコストが高止まりしている」と話す。NTTデータ出身の鈴木CIOは日本取引所グループのCIOを経て2017年4月に日本郵便のCIOに就任して以来、見直しを模索してきた。 新方針ではITベンダーと契約する保守のパターンを品質が低いほうから「スポット保守」「日中週1保守」「日中保守」「24時間保守」の4つに分ける。そのうえで、ハード
株式会社鶴代表。米系ラグジュアリーブランドにてMDを経験後、2001年アマゾンジャパン立ち上げへ参画。 サプライチェーン部門、テクニカルサポート部門責任者として歴任し、立ち上げからの約10年間アマゾンジャパンの成長に貢献する。現在は、欧米企業のEC事業管理手法をベースに、数々の企業にて日本のオンラインマーケットにあったEC事業運営を構築、コンサルティングを行う。会社のHPはhttp://kbtru.com DOL特別レポート 内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。 バックナンバー一覧 今や、通販ビジネス界の"巨人"となったアマゾン。そのサービスレベルは極めて高く、どの企業も追いつくことはできない。アマゾンジャパンでサプライチェーン部門とテクニカルサポート部門の責任者を歴任し、現在は株式会社鶴代表の林部健二氏に
今やEC業界の王者の座に君臨するアマゾン。日用品もワンクリックで購入できるようになり、消費者の生活が便利になっていく一方、アマゾンは日本の小売業界を脅かす存在にもなっています。アマゾンと取引のある企業からは、「アマゾンに顧客を取られる」「アマゾンは冷酷な会社だ」といった声を聞くこともあります。 アマゾンは、なぜここまで強大な企業になり、「冷酷」とまで言われるようになったのでしょうか。そして、日本企業はアマゾンにどう対抗していくべきなのでしょうか。これらの答えを導き出すには、まずアマゾンの経営戦略を知る必要があります。 私はアマゾンジャパンで、2002年から2006年までSCM(サプライチェーン・マネジメント)のマネジャーとして、物流や倉庫オペレーションまでの管理をしており、多くの採用面接もしてきました。今回はアマゾンでの経験を踏まえて、アマゾンがEC王者であり続ける理由の1つを考えてみたい
またもや「日本最下位」である。 これまでにも「日本最下位」という報道を取り上げると、 「いい加減、海外と比較するのを止めろ!」 「海外と比較して、なんか意味あんのか?」 と激しく抵抗する意見を目の当たりにしてきた。 でも、やはり今回も取り上げます。 だって外と比較することは、外のまなざしを捉えること。問題点に気付くこともできれば、「へ?、私たちって案外恵まれてんだ?」と納得することもある。 世界から日本が置いてけぼりを食っていることがあれば、それを素直に受け入れるべし。……となんだかしょっぱなから好戦的な物言いで申し訳ない。が、それほどまでに今回の「最下位」は懸念すべき事案だと考えている。 というわけで、今回のテーマは「最下位の未来」です。 「日本最下位」を報じたのは日経新聞。 「社員再教育 日本は最下位」との見出しが、1月10日(夕刊)の一面にデカデカと踊ったのだ。(以下、内容を抜粋)
PCやスマートフォンを開けば、そこには不愉快なUIが至るところにあふれている。さして文章が長くもないのにページが4分割されているニュース記事(腹立たしいことに4ページ目はたった1行だったりする)、サッカーのハイライト動画でシュートの行方をカメラが追い始めた瞬間に始まる動画広告、場面転換をするたびにCMが挟み込まれ、もはやCMを見ているのかゲームをしているのかわからなくなるアドベンチャーゲームアプリなど……。 さらに不幸なことは、ウェブメディアの編集部や動画配信者、ゲーム制作会社の制作現場にいる人たちにとっても、これは決して愉快な状況ではないということだ。罵詈雑言混じりの苦情が書かれたユーザー評価欄やSNSを見ながら彼らは言うだろう。「誰が好き好んでこんなUIを作るものか」と。 関わる誰から見てもおかしなUIは、それでもなぜ量産され世の中のストレスを増幅させ続けているのだろうか? その負のス
米インディアナ州インディアナポリスで、共和党の税制改革案について演説するドナルド・トランプ大統領(2017年9月27日撮影)。(c)AFP/Brendan Smialowski〔AFPBB News〕 企業を利するだけのムダ事だが、これを擁護する人々は、法人減税は最終的には労働者のためになる、浮いた資金の一部が雇用の増加や賃金の上昇という形で「トリクルダウンする(したたり落ちる)」からだと主張している。 筆者が以前のコラムで指摘してきたように、少なくとも過去20年間にそのような現象が生じた証拠は存在しない。 とはいえ、企業の利得と労働者の利得は足し合わせると常にゼロになるとの見方は事実に反する。 両者に利得をもたらすカギは、「トリクルダウン」を期待して企業の税負担を減らすことではなく、従業員のパフォーマンスを劇的に高めて企業に増収増益をもたらし、生産性もじわじわ上昇させるような投資を労働者
独自のルールを定めようとした東大 東京大学で約8000人いる非常勤教職員の大半が雇い止めの危機にあるーー全国の国立大学法人で働く約10万人の非常勤教職員の雇用にも影響を及ぼす可能性があるこの「大学労働問題」を、筆者はこれまでも取り上げてきた。(東京大学で起こった、非常勤職員の「雇い止め争議」その内幕 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52605) 2013年4月1日に施行された改正労働契約法によって、同じ職場で5年を超えて働く非正規労働者は、2018年4月以降、「無期雇用」に転換を申し込む権利が得られるようになった。ところが、東京大学は法の趣旨に反して「東大ルール」と呼ばれる独自の雇用契約を設定し、非常勤教職員を5年上限で「雇い止め」しようとしていたのだ。 これに対して東京大学教職員組合と首都圏大学非常勤講師組合は、「東大ルール」が違法なものであること
中欧班列(瀋陽-二連浩特-エレンホト間)の開通セレモニーが瀋陽東駅で開催(9月9日、撮影・于海洋)。 最近、寧夏回族自治区で開催された中国-アラブ諸国国際物流協力商談会で、中鉄集装箱運輸有限責任公司の鐘成・副総経理が、「中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車)が2011年に開通してから現在に至るまで、5000便以上運行してきた。安定して中欧班列を運営している中国の都市は33都市で、欧州の12ヶ国の33都市とつながっている。中欧班列は『一帯一路』(the Belt and Road)参加国の重要な物流ルートとなっている」と成果を強調した。経済参考報が報じた。 中欧班列の営業距離は東西約1万3000キロに及び、50の国や地域を通過している。現在、中欧班列はスピーディと安価を売りにしているため、多くの運輸業者が利用するようになっている。山東文登大世汽車配件有限公司通関部の王軍マネージャーによ
こんにちは。スマートニュースの高橋力矢です。弊社も含む多くの企業の内側では、短期の利得を重視した施策と、将来に大きな利益を生み出すと考えられる施策との間でどのように資源を割り振るべきか議論が発生します。判断基準が曖昧になりがちなこの短期・長期視点について、数理科学からの観点を紹介したいと思います。 強化学習に代表される賢い人工知能の一つの特徴は、長期最適な意思決定ができることとされており、その背後には将来の利益を一貫した割引率で割り引く指数割引 (exponential discounting) があります。指数割引は会計や株式投資において企業価値を見積もるディスカウント・キャッシュフロー (DCF) 法にも採用されます。例えばお金であれば、今の金利が2%だった時、100ドルを銀行に預けると一年後に102ドルになります。一年後に手に入る100ドルだったら100 / 1.02 = 98.03
「以前は、当社の言い分を聞いてもらうことなどまったくできなかった」──。 こう語るのは、米口コミ情報サイト、イェルプ(Yelp)の最高経営責任者(CEO)、ジェレミー・ストッペルマン氏だ。同社は6年前からグーグルの検索結果の表示を巡って、この巨大IT(情報技術)企業と争ってきた。だが、ここへ来て米当局がグーグルに対する懸念を強めはじめている。 米国でもミズーリ州がグーグルの独禁法違反調査に乗り出す 11月13日、米中西部ミズーリ州のジョシュ・ホーリー司法長官が、同州が定める独占禁止法と消費者保護法にグーグルが違反していないかどうかの調査に乗り出した。起業家たちもストッペルマン氏のグーグル批判を称賛している。以前だったら、起業家たちがそんな行動に出るなど考えられなかったことだ。 これまでグーグルへの逆風が吹いていたのは、主に欧州だった。今年6月には欧州連合(EU)の政策執行機関である欧州委員
【ワシントン=鳳山太成】米連邦通信委員会(FCC)は21日、通信会社などインターネット接続会社にネット上のコンテンツを平等に扱うよう求める「ネット中立性」の原則を撤廃する方針を発表した。追加料金を払った動画配信業者のコンテンツの通信速度を引き上げるなど、扱いに差をつけるのを認める。接続会社の裁量範囲を広げて収益を高め投資を促す目的だが、不公平な扱いを受ける可能性があるネット企業は反発している。
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