「更生日本の前途は洋々たり」。終戦直後、石橋湛山(たんざん)は東洋経済新報(現・週刊東洋経済)の社説で日本の将来を大胆に見通した。廃虚とがれき、塗炭の苦しみの中で現実をしっかり見つめ、それを踏まえた上で先行き明るい日本の未来を示した。 それから70年、終戦の日まであと1カ月余。これから先、この国はどうなるのか。その前途に不安を抱く向きは多い。国会では、安保法制論議が迷走し、過去最長の会期延長となった。内外で注目されている戦後70年の「安倍談話」は、閣議決定なしと決まった。日々、新聞報道に接しながら、いろいろ考えを巡らせていると、ふと記者駆け出し時代に学んだニュース記事の書き方指南が記憶によみがえった。 まずは「書き出し」。いわば起承転結の「起」に当たる。そこで読者をひきつけなければ、その記事は読んでもらえない。落語でも「大変だ! 大変だ!」と長屋の熊さんの大声から始めて聴衆をひきつける。そ