「もんじゅ」廃炉はいいけれど… 政府は、原子力規制委員会の最後通告から13カ月もかかって、ようやく“金食い虫”の高速増殖炉(原型炉)「もんじゅ」(福井県)の廃炉を決めた。 もんじゅの廃炉費用は、出力28万キロワットに対して3750億円以上と、一般的なもの(100万キロワット級原発で3000億円程度)と比べて規模の割にかなり割高だ。が、地震対策などに今後8年の歳月と5000億円以上の費用がかかるうえ、その後8年の運転経費が5400億円以上に達するため、再稼働を断念したという。 もんじゅは、使った以上の燃料を生み出して「核燃料サイクル」を実現する「夢の原子炉」になるはずだった。50年以上前から開発が始められ、完成から約24年の歳月が過ぎたが、事故や事故隠しが度重なり、運転できたのはわずか250日に過ぎない。 今回の決定により、これまでに費やした予算1兆410億円は水泡と帰し、「夢の原子炉」はま