人類の歴史は、戦争や災害、そして疫病との闘いの繰り返しだった。日本の老舗は数々の危機をどう乗り越えてきたのか。5世紀近い歴史を持つ和菓子屋「虎屋」17代目・黒川光博氏に、困難な時代との向き合い方を聞いた。 撮影:今村拓馬 コロナに始まり、コロナに終わった年が過ぎ去り、2021年が幕を開けた。いまだ収束が見通せないコロナ禍。経済環境を見渡せば、昨年来、大きな打撃を受けた業界も少なくない。 それでも人類の歴史を振り返れば、その歩みは戦争や災害、そして疫病との闘いの繰り返しだった。日本には100年以上も商売を営んできた店が数多くあるが、そんな老舗は数々の危機をどうやって乗り越えてきたのだろうか。 室町時代に京都で創業し、5世紀近くのれんを守り続けてきた和菓子屋「虎屋」。17代・黒川光博会長に今の時代との向き合いかたを聞いた。黒川会長は「コロナ禍による強制的なリセットで、見えてきたものがある」と語