健康食品で本当に健康になれるのか。科学ジャーナリストの松永和紀さんは「健康食品の原料となる食品や植物、微生物などには、健康に悪影響をもたらすものも含まれている。錠剤やカプセル、粉末などに加工されることで、気づかぬうちにそれらを大量に摂ってしまうのが問題だ」という――。 【図表】「健康食品」についての19のメッセージ ■「食品だから安全」は幻想にすぎない 小林製薬の紅麹サプリメントの健康被害問題により、健康食品の生産管理の難しさがクローズアップされています。健康食品の原料の多くは、食品自体だったり植物や微生物だったり。「食品だから」「伝統的なものだから」「自然だから」というフレーズで、安全・健康という幻想がふりまかれています。 紅麹サプリも、そんな幻想に乗った製品でした。しかし、これまで書いたとおり、紅麹菌と麹菌は異なる「種」であり、紅麹が伝統的な食品であったという科学的根拠はありません。実
近年激化しているトランスジェンダーに対するバッシング言説をめぐって、岸田首相が国会で初めて答弁。「性自認(ジェンダーアイデンティティ)は多様で人それぞれ異なり、自己のジェンダーアイデンティティを否定されるようなことはあってはならない」と語った。 性自認の否定は「あってはならない」立憲民主党の石川大我議員が15日、参議院予算委員会で「性自認(ジェンダーアイデンティティ)」をめぐる誤解や、トイレやお風呂などでの性別の取り扱いをめぐる誤った言説などについて質問した。 岸田首相は、性自認(ジェンダーアイデンティティ)という概念の捉え方についての質問に対し、「本人の意思で選択したり、変更したりできるものではない」と回答。 同性愛や両性愛などの性的指向と同様に、性自認も揺らいだり変化することはあるが、趣味嗜好のように選べるものではない。 しかし、SNSを中心に「男性が『自分は女性だ』とさえ言えば、女性
奈良教育大附属小の問題を連載してきているが、そこで、大学側が「不適切」とした附属小の創造的教育実践を、教育研究者たちは「不適切ではない」と口をそろえる。 では、肝心の附属小の教員は、どう受けとめているのだろうか。創造的教育実践を実施してきた附属小教員のひとりであるAさんに訊いてみた。Aさんは、不適切という大学側の指摘に対して「心外です」と言いきる。そして、「不適切」とするために大学側と校長がやってきた実態を語ってくれた。 |新校長は「すべての決裁権は校長にあるはず」と宣言―― 今回の件は、いつごろから始まったと認識されていますか。 A 大学が公表した報告書(奈良教育大学附属小学校における教育課程の実施等の事案に係わる報告書)の「本事案に係わる経緯」にも記されていますけど、2023年の5月26日に奈良県教育委員会(県教委)から大学の学長に連絡があったことが、直接のきっかけだったと認識していま
<これまで大きなトラブルもなく10年以上にわたってうまく共生してきた埼玉県蕨市のクルド人と日本人の関係に楔を打ち込む事件があった。なぜ共生はうまくいかないのか> 2月18日、埼玉県の蕨市駅周辺で、右派系市民グループ「日本第一党」に所属していた人物が主催するデモが行われた。標的にされたのは、川口市や蕨市に住むクルド系の住民だ。【藤崎剛人(ブロガー、ドイツ思想史)】 日本社会で暮らす外国人や外国にルーツを持つ人々の数は増えつつある。その一方で、右派系市民グループや右派系ジャーナリスト、またSNSなどで煽られた匿名のアカウントらが、地域社会に定着して暮らしている外国人の生活を脅かすという現象が生じている。 <埼玉県南部のクルド人コミュニティへの差別の拡大> 近年、川口市や蕨市など埼玉県南部地域では、クルド系住民の数が増えている。難民申請者もいれば正規ビザ取得者もおり、在留資格は様々だが、人口は約
2023年1月期に日本テレビ系列で初放送されたバカリズム脚本の「ブラッシュアップライフ」がNetflixでも話題に。躍進が続く(画像:日本テレビ) Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。 【写真】安藤サクラが演じる主人公の近藤麻美(あーちん)が人生を何周もするたびに変わる職業のリアルさも見どころ ■ユーモアたっぷり“あるある”の会話が伏線 お笑い芸人で、俳優業もこなし、2月3日に放送を控える「IPPONグランプリ」(フジテレビ系)では芸能活動休止中の松本人志に
(台北中央社)日本の古典文学の最高峰と言われる「源氏物語」の新たな中国語訳版が今年後半にも出版される。日本文学研究者の林水福氏が4年近くかけて約90万字の翻訳を完成させた。林氏は「古典は死なない」と述べ、自身の翻訳を通じて、より多くの人に源氏物語や日本文学の美しさを知ってもらえればと期待を寄せた。 台湾の大学で日本語を専攻した林氏は卒業後、日本に留学し東北大学で文学博士号を取得した。帰国後、大学で教えていたが、定年を迎えてからは毎日2000字のペースで源氏物語の翻訳を進めていたという。 同書の中国語翻訳を巡り、これまでにも翻訳家の豊子愷氏や作家の林文月氏がしていた。17日、中央社の取材に応じた林水福氏は源氏物語について、最も日本を代表できる作品だとした上で、古典は時の試練に耐えられると指摘。異なる翻訳者によって新たな解釈が付与されるため「古典は死なず」と話した。 林氏は「源氏物語」の他にも
メディアとは本来、権力を監視するという重要な役割を担っています。しかし昨今では記者会見で特定の質問者を排除したり、報道機関に圧力をかけるといった行為がまかり通ってしまっているのが実情です。日本のメディアが「報道の自由度」を落とした原因とは? 池上彰氏が解説します。 ※本稿は池上彰著『池上彰の日本現代史集中講義』(祥伝社)より一部抜粋・編集したものです。 メディアへの監視を強めたかつては新聞が目の敵にされましたが、テレビの影響力が大きくなるにつれ、政府は警戒感を強めるようになりました。特に安倍政権は積極的にメディアを監視し、コントロールしようとしました。 選挙期間中、テレビ局は放送法に違反しないように、自ら政治的公平に配慮しています。しかし、安倍政権時代の2014年、自民党が在京テレビ局に対して「選挙報道に偏りがないように」と、わざわざ文書で申し入れを行ないました。 その結果、政治についての
(台南中央社)日本語訳された台湾文学書籍を集めた特別展「台湾文学日本語翻訳書籍展」が、大阪府箕面市の市立船場図書館(大阪大学外国学図書館)で10月25日から行われている。主催した南部・台南市の国立台湾文学館は、原住民(先住民)族やジェンダーに関する文学作品、女性作家の作品に焦点を当てたとし、台湾文学と文化の多様性・独自性を深く理解してもらえるとしている。 特別展は大阪大学台湾研究講座や船場図書館の協力で開催。約60作品が紹介されている。台湾文学館の林巾力館長は、代表的な作家の作品を厳選したとし、日本の人々に文学を通じて台湾を知る窓口になればとコメントしている。 10月31日には台湾文学に詳しい下村作次郎天理大学名誉教授と原住民族作家の孫大川さんによる講義が開かれた。孫さんは原住民族と自然が共存する文化が各界から重視され、生態学などの学問と融合して分野を超えた研究を促し、視野を広げることを望
「ゴロツキ」「詐欺まがい」「純粋なアイヌ民族などいない」。11月、杉田水脈衆議院議員が自身のXにリンクした動画は、アイヌ協会や個人に対する中傷ともとれる言葉を使い、アイヌに関する利権の存在を訴えていた。杉田氏は以前からアイヌ事業の関係者を「公金チューチュー」と揶揄し、国会でも問題に。杉田議員は過去に差別的な発言で物議を醸し、去年「信念が理解されなかった」などとして総務政務官を辞任している。 【映像】アイヌ伝統の祭り(実際の様子) アイヌは、北海道や樺太など、日本の北部にいた先住民族。明治時代、政府の北海道開拓事業とともに、文化や狩猟や漁業などの生活様式を制限され、日本への同化政策が進められてきた。その中で、さまざまな軋轢や迫害があったという。2022年の内閣府の調査では、「差別や偏見がある」と答えた人が2016年から微増(3.4ポイント増の21.3%)し、認識が深まりつつある一方で、「わか
大阪府と大阪市は2025年の大阪・関西万博に関する費用負担の見通しについて、12月22日にこれまで約1113億円としていた見通しをさらに265億円を追加し、1378億円になる見通しだと明らかにしました。 【画像を見る】万博の大屋根リングどこまでできた?吉村知事らがはじめて屋根にのぼった 大阪・関西万博にかかる費用をめぐっては、12月19日、大阪府市の負担額が約1113億円になると発表されていました。 22日、大阪府市は、現時点で見込まれている来年度以降の費用を上乗せし両自治体の負担額を約1378億円に更新したと明らかにしました。 上乗せされた約265億円には大阪府市在住の子どもを対象とする万博への無料招待や、道路の環境整備事業などが含まれているということです。 (大阪市横山市長) 「あくまで最初の(1113億円)は国・府・市で定義を合わせて出した数字。さらに府市としては今わかっている事業費
台湾問題や東京電力福島第1原発処理水の海洋放出などを巡り、日中間の緊張関係が続く中、中国では日本への留学が根強い人気を保っている。2022年は日本国内の留学生のうち45%を中国人が占め、国別では断トツ。新型コロナウイルスの流行を境に留学生数は減っているものの、コロナ禍前の8割強でとどまっている。若者たちは、どうして日本留学を選ぶのか。生徒全員が日本の高校留学を目指す上海郊外の学校を訪ねた。(上海で、伊藤完司) 【表】日本に留学する中国人学生の推移 「何で食べますか? お箸で食べます」 1年生の女子生徒が教科書の中国語を訳して答えると、中国人の女性教員は「よくできました」と笑顔を見せた。 2年生の教室では、日本人教員が日本語で化学を教えていた。生徒たちが留学しても困らないように、教員は日本の授業と同じスピードで話しているのだという。 上海市の中心部から車で約40分の郊外にある「信男(しんなん
宮崎大農学部の和田葉子助教と「兵庫県立人と自然の博物館」の京極大助研究員は26日、国内若手研究者の登竜門とされる日本学術振興会の特別研究員制度について、女性よりも男性の採択率が高いことを国内で初めて明らかにしたと発表した。無意識のジェンダーバイアス(性別に基づく固定観念)が、審査に影響している可能性を指摘する。
’95年の歌手デビューから今年で28年。3人の子供を育てながら、45歳で大学入学を果たしたロックアーティスト 「家庭教師は3人。早稲田大学の現役生にお願いして、苦手な数学を克服し、高卒認定を取得しました。合格通知を見た瞬間のことは、今も鮮明に覚えています」 【ロックで鍛え上げられた美スタイル】すごい!現役ロッカーにして現役大学生の相川七瀬の美スタイル! そう合否の瞬間を振り返るのは歌手の相川七瀬(48)だ。’95年、『夢見る少女じゃいられない』でデビューを果たすと、翌年に発売されたアルバム『Red』は売上総数200万枚を超える大ヒット。その後も『恋心』や『トラブルメイカー』など多くのヒット曲を生み出した。 そんな彼女が、次なる挑戦として選んだのが″学業″だった。 「20代の頃から高卒認定を取得したいという思いはあって、それは30代になっても40代になっても変わらなかった。でもきっかけとか、
『セーラームーン』『NARUTO』『鬼滅の刃』『ポケモン』などの日本のアニメは、アジアのみならず欧米でも大人気だ。「日本に来て感動したこと」としては「電車が時間通りにくる」「街が清潔」などが挙げられることも多い。 そうして日本を好きになってくれた若者が日本の研究をするとは、なんと嬉しい話だろう。 【写真】「日本好き」で研究始めたのに…欧州で発表した3人の若き研究者たち しかしベルギーに暮らすジャーナリストの栗田路子さんが参加した「日本研究カンファレンス」では、想像を超えた「研究結果」が発表されていた――。以下、栗田さんが見聞きしたことを寄稿いただいた。 今年夏、私の住むベルギーの古都ゲントの大学に、まるで日本人かと耳を疑うほど日本語が堪能な研究者たちが、世界中から1000人以上も集まっていた。コロナ禍明けて4年ぶりに、対面で開催された『ヨーロッパ日本研究協会(EAJS)』が開催するカンファ
東京大学や京都大学など特に規模の大きい国立大学法人において新たな合議体の設置が義務付けられるなどの国立大学法人法の改正案が閣議決定され、国会に提出されることになりました。 国立大学法人法の改正案では、事業の規模が特に大きいとされる「東京大学」、「京都大学」、「大阪大学」、「東北大学」、名古屋大学と岐阜大学を設置する「東海国立大学機構」の5つの法人で、学長のほか3人以上の委員で組織される新たな意思決定機関の設置を義務付けています。 大規模な大学法人では事業が多岐にわたるため、学長1人での意思決定には限界があり、様々な知見を持つ組織で重要な決定がされることでより強固なガバナンスのもとで安定して経営されることを期待しています。 一方、専門家らは、委員の選出は文部科学大臣の承認を得ることから、国が任命する監事の役割が拡大され、大学を間接的に支配することが可能になり、大学の自主性や独立性が損なわれる
大学を卒業し社会に踏み出したものの、重くのしかかる奨学金の返済に悲鳴を上げる若者が増えている。 【映像】「帳消しすべき」vs「不平等」の激論バトル 奨学金を受給している大学生は令和2年度で49.6%、およそ2人に1人で、中でも返済が必要な貸与型奨学金を受給している人は全体の36.6%となっている。 岸田総理も少子化対策の一環として教育費の支援を重視。国が授業料を一時的に肩代わりし卒業後の所得に応じて柔軟に返済する出世払い方式を拡充する方向で調整しているが、非正規労働の増加、円安や物価高騰で生活に余裕がなくなる中、SNSでは、こんな声もあがっている。 「20代30代で奨学金返済。結婚なんて無理」 「奨学金返済のために働いているようなもの」 「海外の支援やブライダル補助金以前に奨学金のこと考えてくれ」(Xへの投稿) こうした中、奨学金の返済に苦しむ人を救おうとあるプロジェクトが立ち上がっている
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