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ブックマーク / www.kosho.or.jp (3)

  • 日本の古本屋 / マイナー雑誌を研究する――『児童雑誌の誕生』の調査をふりかえって

    明治期の児童雑誌といえばなにが想起されるだろうか。『穎才新誌』、『少年園』、『小国民』、そして『少年世界』などがよく知られるところだろう。書『児童雑誌の誕生』でおもに扱ったのは『少年園』とそれ以前の〈胎動期〉の児童雑誌、『よろこばしきおとづれ』、『ちゑのあけぼの』である。これら2誌には著名な作家の関わりもほとんどなく、おそらく『少年園』を除けば児童文学に関心のある人でも「ああ、あの雑誌」となる人は少ないのではないだろうか。書がこれらの雑誌を対象としたのは、児童雑誌にどんな作家のどんな作品が掲載されたかよりも、児童雑誌という媒体そのものの成り立ちをとらえたかったからである。一般的な知名度の低いこれらの児童雑誌がどのようにうまれたのかを知るためには、必然的に周辺史料を発掘することが不可欠となった。 あとがきでも書いたように、書の出発点は大阪で1886(明治19)年に創刊された『ちゑのあけ

    egamiday2009
    egamiday2009 2023/07/19
    “本書は幸いにもこれらの史料を活用できたことで、国境を越えて子どものための読み物がもたらされ、翻訳・編集を経て日本の児童雑誌がうまれ、そして新たな読者集団が形成されていく過程を実証的に”
  • 日本の古本屋 / 著名な作家と、研究すると面白い作家は必ずしも一致しない〜『職業作家の生活と出版環境 日記資料から研究方法を拓く』について〜

    著名な作家と、研究すると面白い作家は必ずしも一致しない〜『職業作家の生活と出版環境 日記資料から研究方法を拓く』について〜 ■作家名頼りの企画にならないために 書では、今はもう忘れられているある直木賞作家に焦点をあて、戦後の職業作家の営みから何が見えてくるのかを様々な資料、角度から追っていくことを試みました。作家の名は榛葉英治(しんば・えいじ)、ただその名前は書のタイトルには入っていません。忘れられている以上、名前をタイトルに掲げても読者にピンとこないということも理由の一つです。ただそれ以上に、偉大な、あるいは著名な作家名「ブランド」のもとで出されてきた数多くの研究が見落としてきたもの、とりこぼしてきたものをとらえることを試みたかったというのがより大きな理由としてあります。 作家を偉人化、神聖化するとらえかたは、作家という書き手の内側で作品の価値をすべて説明できる、という考え方を生み出

    egamiday2009
    egamiday2009 2022/09/07
    「作品の価値を生み出すのは作家のみではありません。本の作り手、広報の仕方、売り方、教え方、さらにはそれを読む読者を取り巻く経済、政治状況によって、作品の読み方や評価は生まれ、変わっていきます。」
  • 『新天理図書館善本叢書』について

    【はじめに】 この度、天理図書館では高精細オールカラー版の影印複製叢書『新天理図書館叢書』(全5期36巻・製作発売八木書店)刊行の事業を開始することとなりました。 各期の編成は次のようになります。 第1期 国史古記録 全6巻 第2期 古辞書 全6巻 第3期 源氏物語 全10巻 第4期 奈良絵 全8巻 第5期 連歌俳諧 全6巻 館はこれまで、所蔵する稀覯書の更なる利用・活用を願って、同時に、後世に原を永く伝えるための「保存」ということを意図して、種々の影印複製事業を進めてまいりました。 この度の『新善叢書』もそうした事業に続くものですが、先に、昭和46年から刊行を開始した旧『善叢書』既収書目のうちの幾らかを含んでの編成となっております。この、再収録書目とその意図について、また、多くの新収録書目類について、更に、この度の最新の製版印刷仕様について、以下に概略します。 【旧『善

    『新天理図書館善本叢書』について
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