前回に引き続き、典型的なホーダーのアイリーンを例に、ホーダーの症状や苦しみを紹介する。 アイリーンは53歳、子供は2人、夫とは別居している。司書として働いた経験もあり、家の外での仕事ではホーダーらしさを見せないが、家の中はいわゆるゴミ屋敷状態だ。片づけを試みても、すぐに目の前の置いておかないと気がすまないため、まったくモノが減らない。 「いつか使うから」 ホーダーの行動をさして、ガラクタを集めていると言われることがあるが、「ガラクタ」とは何だろうか。「役に立たないモノ・思い入れのないモノ」と言い換えることもできるだろう。しかし、ホーダーにとっては「役に立たないモノ」「思い入れのないモノ」などないのだ。 すべてのものは〈いつか〉役に立つ、だから役に立たないモノなどないと考える。 たとえば、アイリーンの家の2階の廊下は彼女が買ったモノが入った買い物袋でいっぱいだった。贈り物にするために買ったと