トヨタ自動車は2023年6月、新型「アルファード」、「ヴェルファイア」を発売した(図1)。先代型の最終年は、アルファードとの販売比率が5%以下まで落ち込んでいたヴェルファイア。トヨタの関係者は「2021年ごろまでヴェルファイアは廃止する方向で開発を進めていた」と話す。廃止予定から一転、ヴェルファイアの販売を継続させたきっかけと、アルファードとの新たな差別化について同社の技術者に話を聞いた。 ヴェルファイアは2008年5月、2代目アルファードの兄弟車として登場した。上下2段のフロントライトを与え、アルファードよりもスポーティーで個性的なデザインを持たせた。2008年6月の、発売から1カ月の受注台数は、1万6000台のアルファードを上回る2万台とヴェルファイアは人気を博した。 2015年1月には3代目アルファードとともに、ヴェルファイアは2代目に切り替わった。上下2段のフロントライトを初代から