ここ数年、ユーザー企業によるシステム内製の動きが活発化している。ITベンダーに開発を依存していた日本の大手企業が、自らリスクを負いながら内製化に乗り出す動きは記者個人として応援したい取り組みである。日経クロステックでもたびたび報じてきた。 ただ、志高くシステム内製やDX(デジタルトランスフォーメーション)に力を注いだものの、頓挫してしまうケースもここ最近は目立つようになってきたように思う。うまくいかないパターンは大きく二分できる。 事業部門と協力関係が築けず「孤立」するDX部隊 1つは「DX部隊の孤立」だ。DXや内製ブームに乗って威勢よく出島組織やDX新会社を立ち上げたものの、本業を担う肝心の事業部門との協力関係が築けず、社内で浮いてしまっている状態を指す。 協力関係を築けない理由は様々だが、部署間で目的や目標を共有できず、互いに協力的でなかったり、対立が起きてしまったりすることが多い。