竹やりとフェイスブック。どちらが一揆の本質に近いか。 竹やりを選びそうなものだが、答えは後者。一揆が生まれた中世に遡って考えると、一揆とは「人のつながり」だから。気鋭の若手中世研究者として、研究成果を反映させた初めての著作『一揆の原理』(洋泉社)を出版した。 大勢で竹やりを振り回す反政府運動の一揆は、明治時代の10年程度あっただけ、という。中世まで見渡せば、多くは体制内での待遇改善要求だ。武士も僧侶も行ったし、非暴力もあれば、2人でも成り立った。様々な形態のエッセンスを抽出すれば、つながりとなるのだ。 あえてフェイスブックに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やシェアハウスなど現代との接点を強調した。「歴史が現代につながり、自分と関係があるとわかれば、若い人にも興味を持ってもらえるから」。わかりやすさにこだわるのは、間違った学説を載せた専門家以外の歴史本が売れる今の歴