大英博物館が所蔵する古代ギリシャの彫刻群「エルギン・マーブルズ」=ロンドンで2023年11月29日、ロイター 英ロンドンの大英博物館が所蔵する古代ギリシャ彫刻群の「返還」問題を巡り、英国とギリシャの対立が深まっている。11月28日の首脳会談は急きょ中止となり、訪英したギリシャのミツォタキス首相は結局、スナク英首相に会えないまま帰国する事態となった。 この彫刻群は、アテネのパルテノン神殿にあった大理石の「エルギン・マーブルズ」。紀元前5世紀に作られ、19世紀に英国の外交官エルギンがその一部を持ち出した。現在は大英博物館で展示されている。 ミツォタキス氏はスナク氏との会談前の26日、英BBC放送の番組で「ギリシャに返還されるべきだ」と発言。彫刻群がアテネとロンドンで離れ離れになっている現状は「名画モナリザが真っ二つになっているようなものだ」と述べた。