IBMは今でも、インドではなく米国を拠点とする企業だ。だが、先ごろ米紙ニューヨーク・タイムズに掲載された記事は、まるで同社が自国よりも、インドでより多くの従業員を雇用していると思わせる内容だった。 IBMは確かに、その他の数多くの大企業と同様、業務の多くを各国にアウトソースしてきた。だが、106年前に米国で設立された同社の軸足は、今も自国に残されている。本社も主要な研究施設も、国外に出てはいない。 ただ、長引く売上高の落ち込みからも分かるとおり、米国での業績は低迷している。そのIBMの長期的な業績悪化の根本的な原因は、成熟期を迎えた事業がその後に衰退期に入るタイミングで、急成長が見込める新たな事業セグメントに移行できなかったことにある。 公平を期すために言っておくと、IBMが「戦略的必須項目」とする部門(クラウドサービス、ワトソン、ビッグデータ分析、セキュリティー、ソーシャル・モバイル関連