遠藤 紘一 リコー 取締役副社長執行役員CSO兼全社構造改革担当 CIO(最高情報責任者)がIT(情報技術)導入プロジェクトを指揮する際に、業務の標準化は頻出する課題の1つだ。例外業務を十分減らさずに、ITですべての業務をカバーしようとすればソフトウエアが肥大化してしまい、導入費用が膨らんでしまうことになる。共通なところは標準化し、特殊なところは標準方式に移行していくのが望ましい。 かといって、頑なに業務などを一本化してしまうのは、標準化の取り違えである。商慣習やこれまでのお客様との取り決めなどで、すぐには絞り込めないことがある。 今回は、適切な「標準化」の大切さと、頑なな「一本化」の誤りについて解説したい。 販売システムの統合で標準化に苦労 当社でもシステム化の際に、どこからどこまでが標準なのかを見誤って苦労することはある。生産関連のシステムよりも、販売関連で問題になることが多い。当初か