ラインにおける稼働状況を知らせるための表示板で、生産予定数・実績数とその比率のほか、ライン停止の原因、改革対策、生産計画への影響などを1時間単位で記入する。 標準化した計画数量を維持し、たとえ作業遅れが生じても即対策を講じるためには、常に生産状況を把握しなければならない。この場合、目で見る生産状況である「生産管理板」は有効である。またこれは管理部門よりも、実際の作業現場に置かれる(通常、ラインの最終工程)。(図75) 図75 生産管理板
工程の作業指示をする場合に用いられる。いい換えれば、この仕掛けかんばんが掲示されてはじめて作業が始まる。 後工程が引き取った分だけ、仕掛けかんばんが外される。この際後工程はストアにある部品の仕掛けかんばんをポストに入れ引き取りかんばんに差し替える。次にかんばんを回収し、それを作業場に掲示する。このかんばんで作業指示がなされ、部品が完成したら、かんばんをつけて指定場所に補充する。必要な分だけ造るので造り過ぎのムダは生じない。(図62) 図62 仕掛けかんばん ただし有効に活用するためには、次のことに注意すべきである。 ①外れたかんばんの順に、外れた分だけ物を造る ②物とかんばんはたえず一緒について回る ③かんばんなしでは造ることはしない
サプライチェーンのスループットを決定するのがボトルネック。それを認識し、改善を進めていくことが、キャッシュフローを大きくする。 サプライチェーンにおけるボトルネック(またはコンストレイントという制約)とは、ある需要に対するサプライチェーンのオペレーションで最も時間を要する資源である。 通常、現象として現われる状態は、ボトルネックの前で在庫が増え、ボトルネックの後で部品不足が発生している。統計的にみると不安定な変動、すなわち、ゆらぎをもっているから常にこの状態(過剰在庫と材料不足)にあるとは限らない。ハイキングなどでは、ボトルネックは最も行進速度の遅いメンバーであって、ボトルネックの前は間隔が広がり、ボトルネックの後では間隔が縮まって渋滞になっている。 このボトルネックの重要なことは、ボトルネックがサプライチェーンのスループットを決定していることである。ハイキングでボトルネックになっている人
かんばんはJITを守る道具であるから、かんばん管理はムダ取りが前提。大ロット生産に導入してもそれは混乱を招くだけとなる。かんばんの使い方には次の6つのルールがある。 ①後工程引き取り 後工程が必要となった物を前工程に引き取りにいく。→引き取りかんばん ②引き取り分前工程生産 後工程が引き取った分だけ生産する。→仕掛けかんばん ③100%良品 工程内で品質をつくり込む、不良を出さない仕組みを取り入れる。→品質保証 ④生産の平準化 生産のバラツキをなくし、安定した生産を維持するために、徹底した"品種"と"量"の平均化を図る。→平準化生産 ⑤現物表示 必ず現物と一緒に動く。→目で見る管理 ⑥改革ニーズ発見の道具 かんばんの枚数を減らすと、欠品やラインストップ等が起こる。問題を顕在化し、真因の改革につなげる。
作業のムダを取らずに「生産高だけを多くしろ」というやり方である。当然、仕事量が増えるため、作業を速くするしかない。作業者とて人間、スピードアップにも限度がある。造れなければ残業となる。ムダを取らずに生産高を増やすことは、労働を強化することにつながる。(図149) 図149 労働強化
品種や工程内容が変わる際生じる段取り作業のことをいう。プレスの金型、成形やドリル等の治工具の取り替え、精密切削加工や化学装置の基準調整、変更それに組立部品や部材の切り替え、製造前の作業内容確認や掃除もこれに含まれる。 段取り替えは、従来熟練技能者が時間をかけて行うものという固定観念があって、その煩わしさからまとめて造ろうとするダンゴ生産に陥ってしまう傾向がある。しかし、この作業に要する時間の短縮や工数の低減、作業の標準化等の"段取り改革・改善"はJIT実現の決め手にもなっている。 以下がその手順とポイントである。 ①段取り作業の分析 段取りの仕組みを明らかにする→段取り替え実績表、段取り作業分析表→オモテ化 ②段取り替えのムダ取り 段取り作業は通常、「内段取り」「外段取り」「ムダ」の3つに分けられる→ムダ取り ③内段取りの外段取り化 ④内段取り改革・改善→カセット方式、ボルトレス、並列段取
TOC(制約条件理論)による生産革新の概要 ―スケジューリングシステム有効活用のために― 株式会社 日本総合研究所 総合研究部門 上席主任研究員 久道雅基 TOC (Theory Of Constraints:制約条件理論)が日本でブームを巻き起こして約7年が経過した。しかし多数の製造業と情報交換してみると、まだまだ浸透していないのが現状である。TOCとは一見複雑に見える問題に対して、シンプルな解決策を系統立てて提供する経営哲学で、この管理手法を適用することによって企業のゴール達成を阻害している制約条件を特定して解消し、適切な意志決定が出来るように変革していくことができる。つまり一言で言うと真の全体最適を実現する理論であり、現在では製造業のみならずサービス業、政府・公共機関、医療機関や防衛分野等で適用されている。 とはいえ、製造業の生産分野への適用が下火になっているわけではない。本理論の発
Safety Stock SS(Safety Stock)などとも略され、発注から入庫までの期間、いわゆる購買リードタイムの間に予想される消費量と実際との誤差を考慮して、ある一定のサービス水準を保証しようとするものである。図1で示したごとく、発注から入庫までの購買リードタイムの間の消費量に変動がある。この変動にどの程度対応するかといったサービスの度合、つまりサービス率でもって安全在庫量が決まる。一般に、サービス率は安全係数に変換されており、安全在庫量は次の式によって求められる。 また、MRPにおいて安全在庫は、引当計算(正味所要量計算)の対象とする場合としない場合がある。対象とする場合は、安全在庫も現在庫の一部として、そのまま引当計算を行い、最初に作成された予定オーダーに安全在庫量を加える方法がとられる(図2)。これに対し、引当計算の対象としない場合は、現在庫から安全在庫を差引き、この結果
Cycle Counting サイクルカウンティング 一般に行われている棚卸は、期末だけとか、6ヵ月に1~2度行う期末棚卸や定期棚卸で、かつ全品目を1度に行うことから一斉棚卸などとも呼ばれている。循環棚卸は、サイクルカウンティングとも呼ばれ、ある決められた点数の品目を毎日とか3日に1回とかのサイクルを決めて、順次棚卸をしていくやり方である。 この棚卸では、各棚や各区画を決めて、順番に棚卸を行う方法もあるが、一般的には、ABC分析を使った重点管理の方法がとられる。ABC分析による循環棚卸では、図のように在庫品をA、B、Cにクラス分けしてA品目は在庫投資が最小になるよう重点管理をする。このために、たとえば毎月棚卸を実行し、一方C品目は欠品を起こさない程度の手抜管理でよいため、期末棚卸だけに限るなどのやり方である。このように重要品目の在庫精度を高めることは、MRPの計画精度を高めるうえでも必要な
プッシュ型は実需に基づかない見込生産をいい、プル型は実需に基づ<受注生産をいう。サプライチェーンマネージメントでは、プッシュ型とプル方の中間あるいは組み合わせを考えて実行することが重要。 サプライチェーンマネジメントは、デマンドという目標や課題に対してサプライという解決策(ソリューション)を作ることである。「プッシュ型」と「プル型」のサプライチェーンモデルは、デマンドとサプライとの関係で両極をなすものである。「プッシュ型」とは、実デマンドに基づかない「見込生産(MTS:メイクツーストック)」に代表され、「プル型」は実需に基づく「受注生産(MTO:メイクツーオーダー)」に代表される。 現在、サプライチェーンマネジメントが注目されている大きな理由の一つは、情報技術の活用により、生産・販売のビジネスモデルが「プッシュ型」から「プル型」にシフトすることが可能になったことがある。プル型サプライチェー
顧客(市場)の要求(変化)に応じてもっとも少ない人(人件費)で効率的に生産することをいう。人員の増減を容易にし、多品種少量の"フレキシブル生産"を実現するための仕組みで、JIT生産方式の機能の1つでもある。具体的には次のような仕組みが必要不可欠である。 ●流れ生産・1個流し ●多工程持ち・多能工・立ち作業・助け合い作業 ●ライン化・人集め・人離し ●標準化 ●非定員制 いい換えれば、「ムダを省いて、もっとも少ない人で対応する」ことで、顧客の要求量をこなすための最少人員を意味する。
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