ウニのような形をした作品やドア、空洞の中で手を伸ばす人たち-。6月下旬に京都府亀岡市役所地下の「開かれたアトリエ」で展示された、背丈ほどの大きさがある黄土色の三つの造形物が訪れた人の目を引いた。素材は段ボールだ。作者の澤田太晟さん(18)=亀岡市=は「安く手に入るし、自由自在に加工することができる。さらに紙より丈夫で軽い」と語る。 作品の一つ「朝寝坊」は筒状の内部が空洞になっていて、複数の白い人が外に向かって手を伸ばしている。高校時代の合宿で、班の全員が朝寝坊した思い出から着想を得たという。3作品とも巨大なのはインパクトを重視しているから。「人の驚く顔が好き。見た人に驚いてほしいので」と笑う。 保育園児の頃からイラストを描くのが好きで、1日1枚は漫画のキャラクターを模写していた。「勉強は好きではない」と進路で悩んでいた中学3年のとき、担任から亀岡高(亀岡市)の普通科美術・工芸専攻を紹介され