生命誕生の場所はどこなのか? 前編となる「最初の生命はどこで生まれたのか? 謎の解明に迫る「新説」とは」では、これまで考えられてきたさまざまな説、そしてその中でも有力とされる「陸上温泉説」と「海底熱水説」の2つを紹介しました。 それぞれの説には、これまで謎とされた弱点が存在しましたが、この「海底熱水説」の唯一最大の弱点が「ウォーター・パラドックス」でした。これは生命の材料を作る反応を大量の水が邪魔をしてしまうというものです。この「ウォーター・パラドックス」を解決する新説「液体/超臨界CO₂仮説」を海洋研究開発機構(JAMSTEC)の渋谷岳造主任研究員たちが提唱し、いま注目されています。 それはいったいどのような説なのか? そして生命誕生の場所はどこなのか? その研究の最前線を紹介します。 海底熱水説の弱点を克服する新たな仮説 ――2022年11月に、生命の起源に関する新たな説を発表されまし