東京電力は16日、福島第1原発の廃炉・汚染水対策の現地調整会議で、汚染水対策として建設中の「凍土遮水壁」の建屋山側の凍結開始が目標の今月中に間に合わず、4月にずれ込むとの見通しを示した。 凍土壁は1~4号機の周囲約1・5キロの地中に凍結管を埋めて地中を凍らせ、原子炉建屋内への地下水流入を抑える計画。原子力規制委員会の許可が出れば、4月に凍結しにくい箇所から部分的に凍結を始め、5月から山側全体を凍らせる。 海側は、2~4号機のタービン建屋地下とつながるトレンチ(電源ケーブルが通る地下道)にたまる高濃度汚染水の抜き取りが難航し、凍土壁建設工事は進んでいない。
【特別企画】思い出せ! 安倍首相は福島原発事故の主犯だった!(前) 安倍首相が原発事故前に「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否していた 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。 こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ
東京電力福島第一原発至近の海で、本紙は放射能汚染の状況を調べ、専用港の出入り口などで海水に溶けた状態の放射性セシウムを検出した。事故発生当初よりは格段に低い濃度だが、外洋への汚染が続く状況がはっきりした。一方、東電は精度の低い海水測定をしていながら、「検出せず」を強調する。事故当事者としての責任を果たしているのかどうか疑問がある。 (大野孝志、山川剛史) 本紙は十月二十日、地元漁船をチャーターし、独協医科大学の木村真三准教授(放射線衛生学)と合同で原発周辺五カ所の海水と海底土(砂)を採取。後日、同大の高性能のゲルマニウム半導体検出器を使い、それぞれ二十四時間、八時間かけ計測した。海水はろ過し、ちりなどに付着したセシウムは除去した。 結果は図の通りで、水、砂とも港の出入り口が最も濃度が高く、ここから拡散していることがうかがえる。注目されるのは、同地点の海水から一リットル当たり一・〇七ベクレル
政府は11日、平成23年3月の東京電力福島第1原発事故に関し、政府の事故調査・検証委員会が関係者から聞き取り調査してまとめた「聴取結果書(調書)」のうち、事故発生時に所長として対応した吉田昌郎氏(25年7月死去)や菅直人元首相ら計19人分を公開した。関係者を非公開で聴取した政府事故調の調書が公開されるのは初めて。 公開されたのは吉田氏、政権幹部として事故対応に当たった菅元首相、枝野幸男元官房長官ら政治家11人、原子力委員会の近藤駿介元委員長ら行政関係者5人、研究者2人の調書。 調書の中で菅元首相は、事故の翌朝に第1原発を視察した理由について「(東電側と)コミュニケーションがスムーズに行かず、現場の責任者と会って話をした方がいいと判断した」と説明。枝野氏らが視察に反対したことには「どの程度強く反対したかは、そんなに意識はない」と語った。
福島第一原発事故に関する政府の事故調査委員会が当時の吉田昌郎所長に聴取した記録、いわゆる「吉田調書」が11日、公開された。 「調書」は事故を検証する上で第1級の資料とされていたが、その内容は吉田元所長本人の意向で公開されていなかった。しかし、吉田元所長が去年、亡くなった後内容について様々な報道が飛び交ったことから、政府は混乱を回避するためとして遺族の意向を確認した上で公開に踏み切った。 3年半前、津波により全ての電源を失われた福島第一原発。水素爆発や核燃料が溶けだすなど、危機的状況に追い込まれた。その現場で8か月にわたって指揮を執ったのが、去年7月に亡くなった吉田昌郎元所長だ。現場の指揮官が事故当時、何をし、何を考えて対応にあたったのかが記された「吉田調書」。政府の事故調査・検証委員会が吉田元所長からのべ28時間にわたって聴取した404枚にも及ぶ資料に記されていたのは、事故直後の生々しい危
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東京電力福島第一原子力発電所の事故で、吉田昌郎元所長が政府の事故調査・検証委員会に対し、非常用の冷却装置が止まっていたことなど重要な情報を把握できていなかったことを「猛烈に反省している」と述べるとともに、吉田元所長に判断が集中した事故対応の在り方について課題を指摘していたことが分かりました。 専門家は「新しい知見を生み出しながら、事故の教訓を別の視点から伝え、解釈していくことが重要だ」と、吉田元所長の証言を公表することの意義を指摘しています。 去年7月に亡くなった福島第一原発の吉田昌郎元所長が政府の事故調査・検証委員会の聴き取りに答えた証言の記録は、事故を検証する重要な資料と位置づけられ、政府は来月にも公表する方針です。NHKが入手した記録によりますと、吉田元所長は、メルトダウンした1号機で、事故発生の直後から非常用の冷却装置が止まっていたことに長時間気付かず、対応が後手に回ったことについ
SPEEDI、予算大幅減へ 放射線量の予測に限界 東京電力福島第一原発事故で初期の住民避難に活用されず問題になった「SPEEDI(スピーディ)」(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)について、原子力規制委員会は来年度予算を半額以下に大幅減額する方針を固めた。放射性物質の広がりを即座に予測するには技術的な限界があるため、代わりに放射線量を実測するシステムを強化する。これまでSPEEDIを前提にしてきた自治体の避難計画は見直しを迫られることになる。 福島の事故時、SPEEDIによる予測のもとになる原子炉などのデータが得られず、放射線量を予測できなかった。規制委は事故発生直後の住民避難の指標としてきた位置づけを2013年に改定した原子力災害対策指針で「参考情報」に格下げしており、予算の上でも明確にする。 実測システムの強化は、改定指針が周辺のモニタリングポストなどの値をもとに、原
東京電力福島第一原発事故を受け、政府の事故調査・検証委員会が元所長の吉田昌郎氏(故人)から聴取した内容を記した調書を開示しないのは違法として、被災者や各地の原発訴訟の原告ら十人が二十日、国に調書の開示を求める訴訟を東京地裁に起こした。
東京電力福島第1原発事故で、当時の吉田昌郎所長が、東日本大震災の直後から津波が襲来するまでの約50分間に主要な機器に損傷がないことを確認していたことが、政府の事故調査・検証委員会の聴取に答えた「吉田調書」で明らかになった。機器が地震で壊れたのか、津波で損傷したのかは見解が分かれており、耐震設計の見直しの点で大きな争点になっていた。 東日本大震災は平成23年3月11日午後2時46分に発生。運転中だった1~3号機はすべて緊急停止するとともに、非常用発電機が起動し、炉心の冷却が始まった。しかしその後に原発を襲った津波で同3時42分、全交流電源を喪失。炉心冷却ができず燃料溶融(メルトダウン)を招き、大量の放射性物質が漏洩(ろうえい)するなど重大事故につながった。 吉田調書によると、吉田氏は地震発生後に各中央制御室に異常確認の指示をした上で、当直長から異常がないとの報告を受けた。吉田氏は「私の感覚と
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