製造業を「ものづくり」という言葉で括ったことが、良かったのか、悪かったのか。製造業が人件費競争によって全てが決まるようなことがあまりにざっくりと言われます。実際には装置産業のように人件費比率の低いジャンルでさえ、一緒くたにされます。中国に日本の製造業が移転はじめた頃、人件費競争の罠に嵌ったなと思いました。人件費がメインファクターである限り、工場は常に人件費の低いところに流れます。しかも、人件費の安さとは、為替の問題と表裏一体です。そのような曖昧といえば曖昧な要因で成立しているメカニズムに自らの運命を積極的に委ねる危険性に覚悟をもつ気なのか・・・大いに危惧がありました。案の定、産業によりますが、今、生産は西に移りつつあります。 製造業を「ものづくり」という言葉で括ったことが、良かったのか、悪かったのか。日本の丁寧な作りこみや繊細な表現、いわば改善に改善を積み重ね磨きかけるプロセスの評価を自ら