国が制度を設計し、自治体が実務を遂行するために情報システムを構築するというのは、これまでも珍しくない。古くは外国人登録制度(現在の在留管理制度)や国民年金保険料収納事務、最近では介護保険制度、住基ネットなどがある。そこで国がシステム構築費を人口規模に応じて補助するのだが、今回のマイナンバー制度のシステム改造はちょっと様子が違っている。 筆者のもとに、ある自治体のIT主監から「これってどうなんでしょうね」というメッセージとともに、添付画像が送られてきた。画像は書類の一部で、数字の周りがぼかされている。説明によると、ITベンダーからの見積もり、手書きの数字はIT主監氏が書き込んだもので、国の補助金額という。内容は、住民基本台帳システムや住民税システムを、マイナンバー制度に対応させる作業と連携サーバーの導入だ。 1件はベンダーの見積りが9057万円で補助金2124万円の4.26倍、もう1件は70