本研究の目的は、公共図書館をだれが利用しているのか、またそれはだれに利用されるべきと考えられているのかについて、平等利用の観点から大規模ウェブ調査の分析をもとに検証することである。分析の知見は次のとおりである。第一に、図書館利用には学歴がもっとも強い影響力をもっていた。第二に、非大卒者よりも大卒者のほうが、また滞在型の新しいサービスへの期待度が高い者のほうが、利他的に公共図書館の存在意義を重視していた。
NCAR国際シンポジウム2023「美術館とリサーチ|アートを“深める”とは?」⽇本における新たなアート振興の拠点として、「アートをつなげる、深める、拡げる」をミッションに掲げる国立アートリサーチセンター(NCAR)は、2024年3月22日、国際シンポジウム「美術館とリサーチ|アートを“深める”とは?」を国立新美術館(東京・乃木坂)で開催した。 シンポジウムでは、世界のアートリサーチを支える多様な拠点の活動事例を通して、各機関の特徴やユニークな取り組みを紹介。また、直面する課題を共有し、財源や人材獲得の方法についても触れながら、持続的な運営に向けた展望や、リサーチ資源をどのように公開し国際的にどう活用するか、といった問いも掘り下げられた。 ◎パネリスト: オズゲ・エルソイ(アジア・アート・アーカイブ シニア・キュレーター) 川口雅子(国立アートリサーチセンター 情報資源グループリーダー) イ
アクセシビリティ事業の一環として推進してきた「DEAIリサーチラボ」*の研究成果として、「ミュージアムの事例(ケース)から知る!学ぶ!合理的配慮のハンドブック」を2024年3月に刊行しました。 ミュージアムで実際に起こった事例をもとに、「合理的配慮」について検証と議論を重ねてきた内容がまとめられています。このハンドブックを通じて、ミュージアムに関わる人が「合理的配慮」の理解を深め、さらに行動変容を起こすことをねらいとしています。 *「DEAIリサーチラボ」ならびに「合理的配慮」については、調査研究レポート「DEAIリサーチラボ発足と『合理的配慮』について」をお読みください。 表紙は、このハンドブックに登場する人物を含め、様々な人がミュージアムを楽しんでいる様子を表しています。中心にいるのは「ミュージアムではたらくMさん」です。Mさんが様々なケースを通して、読者と一緒に「合理的配慮」について
記事:春秋社 アジアの文学はいま、世界に広がりつつある 書籍情報はこちら 世界に広がる日本の文学…? 村上春樹、川上未映子、多和田葉子、柳美里、松田青子、小川洋子……。近年、海外の主要な文学賞で日本人作家の受賞やノミネートが取り沙汰されることが増えてきているようだ。 欧米で近年注目されているのは「日本文学」だけではない。アジア、アフリカ、ラテンアメリカといった欧米圏以外の地域の文学に注目が集まっていると言っていい。その背景には、これまで英語という単一の言語や、欧米という閉ざされた地域の文学ばかりに注目されていたことへの反省と、地域・言語を超えた多様な世界の文学に新しい表現を求めていることがある。 近代/現代文学という営みがそもそも欧米に端を発するものであることは一旦脇に置くとしても、世界の各地で、それぞれの言葉で、人々は物語を紡ぎ続けてきた。しかし作品への評価はこれまで、欧米の主要な言語で
⽇本における新たなアート振興の拠点として、「アートをつなげる、深める、拡げる」をミッションに掲げる国立アートリサーチセンター(NCAR)は、2024年3月22日、国際シンポジウム「美術館とリサーチ|アートを“深める”とは?」を国立新美術館(東京・乃木坂)で開催した。 このシンポジウムに先駆け、21〜22日にはキュレーターやアーティスト、研究者ら有識者による4つのセッションを開催(一般非公開)。今回Tokyo Art Beatでは、この4つのセッションとシンポジウムのレポートを全5回でお届けする。 この記事では、前日3月21日に開催された、国際的な展覧会(ビエンナーレなど)に出展するために必要なリサーチについて、キュレーターの視点からプレゼンテーションし、議論を行う「セッション3:キュラトリアル・セッション」をレポート。前半にモデレーターとパネリスト2名のプレゼンテーションが行われ、後半に議
京都市出身の文筆家で写真家の清水哲男さん(69)の写真展「美しいニッポンの風景」が26日、京都文化博物館別館のギャラリーJARFO京・文博…
日本学術会議の法人化に向けて組織制度や会員選考の具体設計が始まった。政府の特別機関から法人格を持つ独立した組織に改める。内閣府はそれぞれの作業部会を設置して検討を始めた。学術会議は総会を開き2023年末の政府決定への懸念を表明した。両者の時間軸にはずれがある。丁寧な対話が進むのかが注視される。(小寺貴之) 「この3カ月で決まると感じている」と日本学術会議の光石衛会長は説明する。22、23日の両日に開いた総会で政府と学術会議の乖離(かいり)点を共有し、23日には財政基盤や過重なガバナンス(統治)制度などの懸念を声明として発出した。特に会員の選考法は現会員が会員候補者を推薦するコ・オプテーション方式の堅持や学術会議自身が方法を決めることを求めた。 過重なガバナンス制度については、予算規模が10億円弱と小さな学術会議に対して、大学などと同じように中期計画の執行管理を求められると管理過多で本来の活
柴谷 方良氏が第5回日本研究国際賞を受賞 このたび、第5回人間文化研究機構日本研究国際賞の受賞者を、ライス大学ディディ・マクマートリー人文学教授・言語学名誉教授、神戸大学名誉教授の柴谷 方良(SHIBATANI Masayoshi)氏に決定いたしました。柴谷氏は、日本語学および一般言語学・言語学理論・アジア諸言語学の専門家として卓越した研究業績を挙げてこられました。くわえて日本語研究領域、日本列島諸語領域の国際化を牽引するとともに、国内外で次世代の言語学者・日本学者を育てられ、日本研究の国際的発展に多大な貢献をされています(選考委員会の佐野みどり委員長がまとめられた「授賞業績・授賞理由」を御参照ください)。 本機構では、2024年1月19日に上野の精養軒にて授賞式と記念講演会を催させていただきます。柴谷氏と交流をさせていただけることは、私たちにとってこのうえない楽しみです。 さて、本機構が
書店「1003」の店主、奥村千織さん=神戸市中央区栄町通1で、2021年4月30日午前11時14分、韓光勲撮影 神戸市中央区の書店「1003(センサン)」は新刊と古書を置く傍ら、100種類以上のリトルプレス(個人出版物)を取り扱っている。店主の奥村千織(ちおり)さん(41)は大学図書館で司書として働いた経験を生かしてバラエティー豊かな本で店を彩り、「作り手の熱量がこもった本に触れてほしい」と話している。 店は2015年に開店し、20年12月に同区栄町通1の「東方ビル」5階に移転して売り場を広げた。黒を基調とした内装は建具職人で夫の泰三さん(43)が手掛けた。木目が鮮やかな本棚は全て手作りで、夫婦の名から「千」と「三」の一文字を取って店名にした。 奥村さんは10年ほど前、長野県小布施町で開かれた「一箱古本市」を見て、参加者が持参した本を箱に詰めて売る様子に刺激を受けた。神戸市内の大学図書館で
これは何か最速で成果を出す為にはどうすれば良いか?という質問をよくもらうのでその回答をするものです。良い感じのものが見当たらなかったので過去に自分が教えてもらった事をまとめました。せっかくまとめたので公開します。 4つのタイプの人がいるそれっぽい図1①思考先行型 思考力は高いけど,行動力が低い人。 考えてばかりで,なかなか行動に動けず成果が出ない。頭が良い人ほどこのタイプになってしまうので気をつけないといけない。 ②思考/行動 併用型 思考力も行動力も高い人。 思考と行動のバランスが良く,行動した結果を思考する事で正しい行動に繋がるサイクルが回っている。この人が1番早く成果が出る。 ③指示待ち型 思考力も行動力も低い人。 何をすれば良いか分からない状態で,動くこともできない。新しい環境に行くと,意外とこの状態の人も多いのでは。 ④行動先行型 思考力は低いけど,行動力が高い人。 何が正しいか
Introductionイントロダクション 2021年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(33)が名古屋入管で死亡した。彼女の死は長年ベールに包まれてきた入管の闇を明らかにするとともに、公権力による外国人差別の歴史を象徴する事件と言って過言ではない。 戦後、日本政府は、在日外国人の9割を占めていた韓国・朝鮮人の管理を主目的とする外国人登録法などを制定した。そして後年、他国からの在留者が増えると、全ての外国人に対する法的・制度的な出入国管理政策を強化してきた。 在日コリアン/高校無償化制度から朝鮮学校を排除。幼児教育・保育の無償化制度から外国人学校を排除。技能実習生/長時間・低賃金労働。暴力・不当解雇・恋愛禁止等の人権侵害事件多発。難民/難民認定を極端に制限。認定率は諸外国の20〜50%に比べ、日本は1%未満。入管/被収容者に対する暴言・暴行・劣悪な処遇が常態化。 高賛侑監督は
1976年、幸いにも国際交流基金の日本研究フェローシップを受賞することができた私は、同年9月、日本に旅立ち、京都大学人文科学研究所でその後18カ月を過ごしました。それより以前は、1970年に2カ月、また1972~73年の1年間も東京で過ごしました。ですので、京都での最初の問題は、関西弁に慣れることでした。京都大学の講義やセミナーは当たり前のように関西弁で行われていたからです。当時、英語で書かれた関西弁の学習書はなく、耳で覚えるしかありませんでした。 オックスフォード大学での博士論文のテーマは、尾崎紅葉の小説と江戸時代の文学の関連性でした。そのため、もっぱら文学部と中央図書館の資料を活用し、仕上がった章からタイプで打って博士論文を仕上げようとしていました。ですが、そのうちの1章は、書き直す羽目になりました。新幹線で原稿を入れたブリーフケースを置いたまま、食堂車に行ってしまったのです。戻るとブ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く