“KAIZEN(カイゼン)”は、今や世界共通語と言っていいだろう。トヨタの効率的な生産方式を象徴する言葉で、日本語のままで世界に広がっているのだ。システムの方法論を確立したのが、大野耐一である。彼の著書『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして―』は1978年に出版されてから今も版を重ねており、生産管理者のバイブル的存在であり続けている。トヨタ生産方式は全世界で採用され、生産効率向上に役立てられている。1988年に英語版が出版されて以降、さまざまな言語に翻訳され、世界中に影響を与えているのだ。 大野によると、トヨタ生産方式の柱は2本ある。「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」だ。2つの考え方を組み合わせることで、トヨタ生産方式の基本思想である“徹底的なムダの排除”を実現できるというのだ。理論をまとめ上げたのは大野だが、彼によるとどちらにも発想の源流には先人の言葉と実践があったという。トヨタ自
流れを整えて工程と作業を計画して管理する方法。 トヨタ生産方式の工程管理の極意は、流れをつくることです。工程の入口から出口までの流れを停滞させることなく、“細くて速い”流れにします。 どのように生産工程を管理するのか、流れでモノをつくるための管理視点、コスト設計、工程設計、作業設計、原単位表の作成、小ロット生産化と段取り改善のポイント・コツを説明します。 <目次> 1.流れでモノをつくるための管理 2.工程管理では在庫はリードタイム 3.コスト設計のポイント 4.工程設計のポイント 5.作業設計のポイント 6.原単位表の作成ポイント 7.小ロット生産化と段取り改善のポイント トヨタ生産方式の工程管理の極意は、流れをつくることです。 工程の入口から出口までの流れを停滞させることなく、“細くて速い”流れにします。 流れとは モノを仕入れたり、つくったりする場合、大量に仕入れたり、大ロットでつく
クレディセゾン社長の林野宏氏は新刊『トヨタ物語』を読んで「長年の誤解が解けた」。そしてトヨタの強さの真髄を「第二次産業に第三次産業を組み入れたこと」と見る。林野流の読み解き方を『トヨタ物語』の担当編集Sが聞く。その後編。 ■重版出来!『トヨタ物語』 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊 (前編から読む) 「トヨタの強さの本質」として本書で丁寧に描かれている「自分で考え、動く組織を作ること」は、今の時代にこそ求められているように思います。 林野:うちも一生懸命やっています。昨年9月に人事制度を変えて、正規・非正規という“身分制度”みたいなことをやめて、働く人を全員、正社員にしました。そうして、全社員が自分で考え、皆が自分の意見を持てば、い
河合満(かわい・みつる) トヨタ自動車副社長 1948年、愛知県生まれ。66年、トヨタ技能者養成所卒業後、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)入社。鍛造部で腕を磨き、2005年、本社工場鍛造部部長。08年、本社工場副工場長。13年に技監就任の後、専務役員などを歴任し、17年より現職(写真:おおさきこーへい、以下同) 河合:それこそ単純だった。迂回して歩かないようにする。物があるから、ちょっと、どかしてまっすぐ歩くようにする。もうそんなカイゼンですよ。それから遠くにあった工具を近くに持ってきて、手元の棚に掛けておくようにした。10歩、歩いていた作業が2歩でいいとなった。それでも500円とか1000円をもらえたんです。 野地:それは大きいですね。 河合:なかには1カ月にカイゼンを50件とか100件も書くやつがおったもん。僕はそれほどは書かなかった。 野地:でも、いくら数を増やしても、全部は採用
トヨタ自動車副社長の河合満氏は新刊『トヨタ物語』を読んで、「『心』が入っている」と感じた。河合氏が考える「トヨタに欠くべからざるもの」について『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏が聞く。その前編。 ■重版出来!『トヨタ物語』 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊 情熱と信念です 河合:僕がこの本を読んで、感心したのは「心」が入っていること。トヨタ生産方式のことを解説した本って山ほどあるけど、結局、かんばんとアンドンとか道具の話なんですよ。 なぜ、トヨタがトヨタ生産方式を根付かせたか、トヨタ生産方式の心とは何かまでは書いていない。それじゃダメなんです。その証拠に、似たような改革をやっている会社はあるけれど、意識改革のところまで踏み込んでいるとこ
新刊『トヨタ物語』を読んだトヨタ自動車副社長の友山茂樹氏は自らの「責任」について考えた。その友山氏が「この先」に見据える「コネクティッドの時代」について『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏が聞く。その後編。 ■重版出来!『トヨタ物語』 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊 (前編から読む) 友山:そういえば、先日、ウーバーに行ってきました。ウーバーはピッツバーグにATGという自動運転のチームを持っていて、自動運転の実験車がピッツバーグの街を走り回っている。ただ、事故を起こして、今は停止してますけど。自動運転の車はセンサーのかたまりですから、1日に1回はメンテナンス工場に入ってくる。すべてのセンサーのキャリブレーションをして、清掃もして、メンテ
「いつまで経っても叱られるのは、幸せなことだ」。新刊『トヨタ物語』を読んだ張富士夫氏が語る真意とは。トヨタ生産方式を体系化した大野耐一氏から受けた薫陶とは。『トヨタ物語』著者の野地秩嘉氏が聞く。その後編。 ■重版出来!『トヨタ物語』 トヨタはなぜ強いのか――その本質に迫る巨編ノンフィクション。日経ビジネス連載「トヨタ生産方式を作った男たち」に書下ろしの新章などを加えた圧巻の408ページ、ついに刊行。早くも4刷。日経BP社刊 (前編から読む) 男のなかの男 張さんは大野(耐一)さんには叱られたのですか? 張:そりゃ最初はもうボロクソでした。鈴村(喜久男)さんにも、もちろん叱られました。他の先輩たちに教わった通りやってたんだけども、そうしたら、ふたりから余計に叱られた(笑)。 叱られたけれど、僕は怒ったり、うらんだことはありません。あの人たちは筋が通ってるというか、ほんとに男のなかの男だな、と
5月9日、トヨタ自動車の豊田章男社長は、2018年3月期(前期)は「さらに新しい勝負ができる筋肉質な体質に変わる体制ができた」とし、19年3月期(今期)からは中国など伸びる市場には機動的に経営資源を投入する意向を明らかにした。1月撮影(2018年 ロイター/Rick Wilking) [東京 9日 ロイター] - トヨタ自動車7203.Tの豊田章男社長は9日の会見で、2018年3月期(前期)は「さらに新しい勝負ができる筋肉質な体質に変わる体制ができた」とし、19年3月期(今期)からは中国など伸びる市場には機動的に経営資源を投入する意向を明らかにした。 豊田社長は、前期実績について「たゆまぬ改善というトヨタらしさが表れ始めた決算」と総括した。同日発表した前期連結決算(米国会計基準)では、営業利益が前の期に比べ20%増の2兆3998億円だった。期初には減益を想定していたが、原価低減が奏功して四
生産現場一筋のトヨタ副社長が学生に教える、「自働化」の在り方:大学キャンパス出張授業(1/2 ページ) 自動車業界の経営トップが大学生にクルマ・バイクの魅力や楽しさ、日本のものづくりの重要性を伝える「大学キャンパス出張授業」。東京大学で登壇したトヨタ自動車 副社長の河合満氏の講演を紹介する。 日本自動車工業会は、会員企業である自動車メーカーから日本各地の大学に講演者を派遣して特別講演を行う取り組み「大学キャンパス出張授業」を例年開催している。 この取り組みはクルマやバイクへの関心醸成や、自動車産業やモノづくりへの理解促進を目指して2013年度から実施しており、2017年度で5年目の開催となる。自動車メーカーや二輪車メーカーの経営トップが講師として登壇し、先端技術やグローバル戦略など幅広いテーマの授業を通じて、クルマ・バイクの魅力や楽しさ、日本のものづくりの重要性を伝えている。 2017年1
1946(昭和21)年10月19日、「戦時補償特別措置法」と「企業再建整備法」が公布された。前者は、戦時中に政府が支払いを約束した戦時補償の打ち切り(支払額に対して100%の戦時補償特別税を課す)を決めた法律で、後者は、それによって財務内容が悪化する企業の救済措置を定めた法律である。救済措置の柱は、旧会社から営業あるいは資産を引き継いだ第二会社を設立し、旧会社は解散手続に専念するという方法であった。 トヨタ自工も他の企業と同様、戦時補償が打ち切られたため、再建整備計画の検討を進めなければならなかった。しかし、既述のように、制限会社、過度経済力集中会社、賠償保全工場などに指定され、種々の制約が課されていたことから、本格的な再建整備計画の立案は、1949年1月21日の過度経済力集中会社の指定解除後にずれ込んだ。 再建整備計画の策定に際しては、現状維持を基本とし、できるだけ早期に経営の自立化が達
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2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、まだ日本で出版されていない、欧米・アジアなど海外で話題の書籍も、週に1回、日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約8万人のビジネスパーソンが利用中。 https://www.serendip.site イノベーション的発想を磨く 経営戦略を描くヒントになる、イノベーションのヒントになる、マネジメント層のための知恵袋になる…。経営層・管理職に本当に役立つ書籍を厳選して紹介。 バックナンバー一覧 視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部
アジャイル開発の手法には、ものづくりの現場に取り入れられているTPS(トヨタ生産方式)のアプローチが使われているようです。アジャイルとTPSの関係について、具体的に考察してみます。 ここ数年、ITソリューション塾では、戦略スタッフサービスの戸田社長をゲスト講師に招いて、アジャイル開発の講義をお願いしています。概要については以前、私のブログでも取り上げました(「全てを作らない」~アジャイルを使った新しいシステム開発 1, 2, 3)。 今回リンクを張るために見直してみたら、3回目の最後にこんなことを書いていましたね。「次回は、これにより『全てを作らない』ことが可能になる仕組み、今回触れることができなかったロールの話、YAGNI、そしてアジャイルとTPS(Toyota Production System)の関係について、書いてみたいと思います」……すっかり忘れていました。 先日、塾の24期で戸
年始に下町ロケットの再放送が全話ぶっ通しで放送していました。普段テレビを見ないので僕は初見でしたが、どんな逆境においても夢に向かう熱い気持ちに折れない心、そして高い技術力で危機を乗り越え最後は大団円と、池井戸潤の作品らしいサラリーマンのロマンがつまった爽快なお話でした。 下町ロケット (小学館文庫) posted with ヨメレバ 池井戸 潤 小学館 2013-12-21 Amazon Kindle 日本の工場と言えば高い技術を持っていると言われています。これは主に海外というより日本国内から良く聞こえてくる気がしますが、実際の所どうなのかというと…設計というお仕事をしてきた僕には引っかかるところがあります。 いま現在、製造というとやはり中国です。賃金その他の費用が上がってきたために、メーカーが東南アジアに拠点を移すような動きは見られますが、それでもなお中国は世界の工場です。そんな中国の工
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