京都・祇園で昨年4月、軽ワゴン車が暴走し、歩行者ら7人が死亡、12人が負傷した事故で、車を運転していた藤崎晋吾容疑者=当時(30)、死亡=の勤務先のあい染め製品販売会社社長で、業務上過失致死傷容疑で書類送検された女性(71)について、京都地検は28日、嫌疑不十分で不起訴処分にした。藤崎容疑者は容疑者死亡で不起訴にした。 地検は不起訴の理由について「起訴して有罪立証をする証拠が足りなかった」としている。 京都府警は3月、女性が藤崎容疑者のてんかんの持病を把握し、事故を起こす可能性があると認識しながら運転をやめさせなかった疑いがあるとして書類送検。女性は「てんかんについては知らなかった」と否認していた。 事故で犠牲となった大阪府豊中市の岸本真砂子さん=当時(68)=の夫、貞巳(さだみ)さん(71)は「起訴されても妻は戻ってこないが、誰も責任を問われないというのはあまりに残酷。残念で仕方ない」と