河北省の農村で、足が壊死(えし)する難病を患った男性が、病院で手術を受けられず自らのこぎりで右足を切断するという凄惨(せいさん)な“事件”が起きた。男性は一命を取り留め、報道後は義援金も集まっているものの、メディアには農村地域の医療体制の不備を指摘する声が上がっている。(田中靖人) 入院拒否で治療受けられず 国営新華社通信(電子版)の12日付の記事などによると、この男性は河北省保定市の農村に住む農業、鄭艶良氏(47)。昨年1月、臀部と太ももにうずくような痛みを感じ始め、しばらくして歩けなくなった。村の診療所や保定市や北京市の複数の病院で診察を受けた結果、動脈血栓症と診断された。 鄭氏の妻が新華社の記者に語ったところによると、ある病院では「治療法がないので入院させられない」と言われ、別の病院では30万元(約480万円)の仮払金に加え治療費は100万元に上ると告げられた。鄭氏夫妻にそのような大