「【日本のエネルギー、150年の歴史①】日本の近代エネルギー産業は、文明開化と共に産声を上げた」でもご紹介したように、日本で古くから使われてきたエネルギー資源、石炭。最近は環境負荷の高さに注目が集まりがちですが、今も世界各国ではエネルギー政策の観点から重要な資源であり続けています。今回は、石炭が現在の日本のエネルギー政策の中で果たしている重要な役割をご紹介します。 エネルギー政策のあり方と日本のエネルギー事情 エネルギー政策において重要なポイントは、「3E(エネルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適合)+S(安全性)」であり、これらを同時に満たすことです。とはいっても、ひとつのエネルギー源で「3E+S」を完全に満たすことは難しいため、各国はさまざまなエネルギー源を組み合わせて、戦略的にエネルギー政策を決定しています。 注意すべき点は、エネルギー政策は、その国が保有する資源や自給率と