耳を清潔に保つための耳かきが、実はかえって耳垢を溜めてしまい、それが原因で難聴から認知症に至るケースがあるという。さらに、最悪の場合は外耳道がんやうつ病も発症するリスクもあると専門医は指摘する。 なぜ、普段の「耳かき」が大病を患うまでに至ってしまうのか。前編記事の『毎日の耳掃除、その”ひと掻き”が「認知症のもと」といえる驚きのワケ』に引き続き、耳かきが病気を誘発する危険性についてをお伝えする。 脳の萎縮を進行させる こうして引き起こされる難聴が、やがて認知症の原因となる。この因果関係は、世界でもっとも権威のある医学誌の一つである『ランセット』でも言及されている。 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン脳科学科教授のジル・リビングストン氏が解説する。 「認知症の発症原因の中で、一番危険なものは難聴です。私は2020年に『ランセット』で発表した論文において、この事実を指摘しました。 耳かきのような