ウイグルをはじめとする苛烈な「民族弾圧」から香港、台湾へと広がる世界的危機。中国共産党・習近平はいったい何を目指しているのか。その中国リスクを読み解く『中国共産党帝国とウイグル』の著者・橋爪大三郎氏と、社会学者の大澤真幸氏が、中国の文明・哲学的背景を踏まえ、覇権的な習近平体制の本質に切り込み、この状況に日本はどう考え、対処すべかを語り合う。(前回は習近平体制の本質と「特色的」な政治的資本主義に切り込んだ『意外と知らない中国式の「国家資本主義」その本質』)。 中国のど真ん中で動乱が起きる可能性は? 大澤:いま中国は、香港や新疆ウイグルで、とてつもない「弾圧」をやっていると報じられています。それを西側諸国がどれほど批判しても、中国当局は「内政干渉だ」と言って歯牙にもかけない。ただし、中国のど真ん中で、香港のような動乱が次々と起きれば、昔の東ヨーロッパのように、民主化したり、人権が尊重される社会