「 一富士(いちふじ)二鷹(にたか)三茄子(さんなすび) 」は、初夢で見ると縁起がよいと言われる。でも、暗い部屋で目をつぶっている睡眠中に、なぜ富士山やタカやナスを「見る」のだろうか。その時、脳の神経細胞はどんな活動をしているのだろうか。実は、夢を見る理由や仕組みは、脳科学が発達した現代でもほとんど分かっていない。 実験室で研究員と相談する常松さん(左)。マウスへのアレルギーがあり、微粒子を遮るマスクは欠かせない(東北大学学際科学フロンティア研究所で) その深遠な謎の解明に、東北大の常松友美助教(39)が挑む。実験動物のマウスも人間と同じように夢を見ていることをまず確かめ、夢をもたらす仕組みをマウスで解明していこうと考えている。 カギは「PGO波」か…視覚情報と似た伝達経路 睡眠中には、眼球が活発に動く「レム睡眠」という状態の時間がある。レム(REM)はRapid Eye Movement