【紀伊國屋じんぶん大賞2024 第2位!】 フィールドワークが世界の見方を変える―― 舞台は、マニラの貧困地区。突然試合が中止だと告げられるボクサー、自宅が急に目の前で破壊されるスラム街の住人、常に主人の顔色を窺う家事労働者……。何が起こるかわからない明日を待ち、絶えざる今を生きのびるとはどういうことか。かれらが生きる時間のディテールをともに目撃し、ともに書くための理論と思想。 [目次] はしがき 序章 暗がりの部屋 1 暗がりの部屋から 2 エスノグラフィー 3 認識の生産――時間的・対位的・転覆的であること 4 貧困と構造的暴力 5 制約下での社会学的想像力 6 本書の構成 第1章 不確実な減量――待機するボクサー 1 ボクサーにとっての試合決定 2 生理学的身体 3 予定が白紙になる 4 不確実性 5 待機することを止める 第2章 共同生活——ボクシング・キャンプについて 1 ボクシ