コロナ禍で苦境にあえぐJR西日本 淡々と数字を読み上げ、短くコメントする言葉に、未曽有の苦境と先の見えない焦りがにじんでいた。4月14日、大阪・梅田のJR西日本本社で行われた長谷川一明社長の定例会見。いつものように冒頭で、直近の営業・輸送概況が発表された。 今年3月の利用状況は、新型コロナ禍前の前々年比で山陽新幹線42%、北陸新幹線40%、在来線特急35%、近畿圏在来線72%。2月以降、緩やかな回復傾向にあったというが、大阪圏の感染急拡大で、また減少へと転じた。 「昨年秋に2021年3月末の業績予想を発表した時点では、ワクチン接種が進み、山陽新幹線で6割程度まで回復することを見込んでいたが、残念ながらそのレベルには及んでいない」 ワクチン接種が進んでいるはずだという楽観的な予想でも、21年度の最終赤字は民営化後最大の2400億円まで膨らむと同社は見込んでいた。同時期の業績予想でJR東日本は