中北浩爾『日本共産党 「革命」を夢見た100年』(中公新書)を読了。細かい評価は別にして「本としてどういう印象を持ったか」をざっくり書いておきたい。 日本共産党-「革命」を夢見た100年 (中公新書 2695) 作者:中北 浩爾 中央公論新社 Amazon 組織構造や政策などを論評するという「ヨコの軸」での本ではなく、100年の歴史を振り返ることで「日本共産党」という政党を論じる「タテの軸」での本である。 日本共産党は世界的にみて資本主義国では共産党という名前の政党が極端に小さくなったり消滅する中で「かなりの踏ん張りをみせている」(p.24)という評価をしている。 そのような「かなりの踏ん張り」はなにゆえ生じているかをみたときに、一言で言えばソ連や中国の影響を脱して、「宮本路線」、つまり1961年に現在の原型となる綱領を確定し、指導者であった宮本顕治が率いてきた自主独立の路線によるものだと