テレビの視聴率調査を行う「ビデオリサーチ」(東京都千代田区)が来年、創立60年を迎え、日本の視聴率調査も60年目を迎える。お茶の間の中心だったテレビも、今や若年層を中心に「テレビ離れ」が指摘される。同社は激変するメディア環境にどう対応してきたのか、同時配信の開始やデジタルメディアとの競合を迎えたテレビ業界に、調査会社としてどう向き合っていくのか、望月渡社長に聞いた。 増加する配信視聴視聴率調査は、テレビ番組やCMがどのくらいの人に見られているかを調べるもので、統計学に基づき無作為に選んだ世帯に専用の機械を置いて測定する。測定された視聴率は、テレビ局の広告効果を測る指標や番組の制作、編成の参考として使われているだけでなく、社会の動向や流行を表す記録ともなっている。 昭和30年代にテレビの普及が進むと、広告効果を測る目安として視聴率調査を求める声が高まり、主要放送局などの出資で37年に第三者調