茨城県東海村にある「J−PARC」という巨大な実験施設。そこでは、直径500mの円形をした「加速器」で、陽子を2秒間に30万周させて1秒間に1000兆個のニュートリノを取り出し、そのニュートリノを300km離れた岐阜県神岡町の「スーパーカミオカンデ」で検出する……。 というよくわからない実験をやっているらしいのだが、実はこれ、ノーベル賞級の発見がほぼ確実視されているという。この世界最先端の施設で、何が行なわれているのかを紹介するのが、「J−PARC」の設計に携わった金髪の天才物理学者「SHOさま」こと、多田将氏の著書『すごい実験―高校生にもわかる素粒子物理の最前線』だ。 ――どんな実験をされているのか、すごく簡単に教えてください。 人間の体も含め、すべての物体は原子で構成されています。その原子よりもさらに小さいのが陽子で、陽子を構成するのが素粒子。ニュートリノは素粒子のひとつ。ニュートリノ