コカイン中毒ですね。 初めてのシーンは、「四つの署名」の冒頭で、7%溶液を注射しています。 当時はまだコカインが依存症、継続性のある薬であることは知られていませんでした。それでも、それを注意するワトスン博士は、当時としても良心的医者だと思います。 なぜそんなことをするのか、といえば、ホームズいわく「魅力的な事件が無く、退屈と怠惰で精神が朽ちていくのを防ぐため」。要するにひまつぶしなんですね。 もっともワトスンに注意されたせいか、この悪癖は中盤以降まったく見られません。 世界でもっともベストセラーになったパスティーシュ、ニコラス・メイヤーの「シャーロック・ホームズの華麗な挑戦」は、原題を「7パーセント溶液」といいます。 コカインの打ちすぎで幻想を見るようになったホームズ。実は、”悪の天才”モリアーティなどは、ホームズが作り出した妄想であった……というもので、ホームズは治療のためワトスンと、「