全卓樹 - 南国雑記帳 - 京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。東京大学理学部物理学科卒、東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究...
全卓樹 - 南国雑記帳 - 京都生まれの東京育ち、米国ワシントンが第三の故郷。東京大学理学部物理学科卒、東京大学理学系大学院物理学専攻博士課程修了、博士論文は原子核反応の微視的理論についての研究...
昨日話題のナショナルジオグラフックの記事( http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100708001&expand ) について。 陽子のまわりに電子をまわすかわりにミューオンという電子と似た素粒子を回してみる。量子力学によって、ミューオンがとれる軌道は離散的な値で決まっていて、実験はその軌道で決まるエネルギーレベル間をミューオンが動いたときにでる光をはかった。で、この結果で「電磁気学を使った計算結果と違っていて、電子が回っているときとミューオンが回っているときで、陽子の大きさが違っている。これはすごい発見で電磁気学のほころびがみつかったかもしれない」、とこう読めるように、このナショナルジオグラフィックの記事には書いてある。 でも、Nature news http://bit.ly/aOnbG
現在、欧州合同原子核研究所(CERN)がスイスに「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)を建設中です。 ここで、超微小ブラックホールを作る計画です。 この実験を行う背景には、「膜宇宙論」という理論の検証という目的があります。 これは、我々の宇宙は既に知られているような4次元時空からのみ成るのではなく、 5次元以上の「余剰次元」があるという考え方です。 そして、現在我々の宇宙にある4種類の根源的な力のうち「電磁気力」「強い力」「弱い力」は 4次元時空の中にしか効かないのに対し、重力のみは余剰次元に漏れ出しているという仮説です。 このような説が出される背景には、重力が他の力に比べて遥かに(何十桁も)弱いという事実があります。 例えば地球という超巨大な物体による重力に、ほんの数cmの磁石による磁力があっさり打ち勝ちますよね。 4種類の根源的な力は本来1種類だったものが分かれたと現在の物理学では考え
決して変わらないもの,それを物理学者は自然定数と呼ぶ。光速cやニュートンの重力定数G,電子の質量meなどの定数は,宇宙のいたるところで常に同じ値をとるとされている。物理学の理論は定数をもとに構築され,私たちの宇宙の構造は定数を用いて定義されている。物理学は,定数をより精密に測定することで進歩してきた。 しかし驚くべきことに,いかなる定数の予測も証明も,いまだに成功したためしがない。ただひとつ一貫しているのは,その値の多くがたとえわずかでも違うと,生物などの複雑な構造は存在できなくなるということだ。定数を説明しようとする試みは,自然を完璧に統一的に記述する「万物の理論(究極理論)」を構築しようとする取り組みを後押しする力となってきた。物理学者は究極理論を用いれば,それぞれの自然定数が特定の値をとる理由を論理的に示せるだろうと期待してきた。究極理論が一見気まぐれな世界の根底にある秩序を明らかに
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