新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした実店舗の休業要請や円安による原料高など、アパレル業界がここ数年に受けた打撃が大きいのは事実だが、先に述べたとおりその前から業界としては市場の縮小が進んでいた。 その原因は、消費者のマインドの変化に一因がありそうだ。 森“流行”というものが画一的だったものから多様化してきていると思います。「まだその服着てるの?ださ!」という会話って最近もう聞かないですよね。それぞれが好きなものを着て当たり前なので。 最初に切り出したのは森氏だ。かつてトレンドを生み出していた仕組みが崩壊しつつあるという指摘に、酒井氏はこう続ける。 酒井確かに一昔前までは、コレクションがあって、展示会があって、雑誌に載って、トレンドが形成される仕組みの中で「昨シーズンのアイテムはださいよね」という計画的な陳腐化がマーケティング手法として一般的でした。 しかし、今やファッション雑誌のパワ