4月から始まる高校の新学習指導要領で、国語の必修科目として新設される「現代の国語」。実用的文章を学ぶ科目で、文部科学省は題材に評論や法令、契約書などを想定していたが、唯一小説を掲載した第一学習社(広島市)の教科書が2022年度の採択数トップに躍進した。採用した現場の教員からは「新課程では小説を教える時間が1年の『現代の国語』しかない」などとの本音も漏れる。(白井春菜、山本克也) 新学習指導要領では、現行の必修科目「国語総合」を、実社会で必要な力を伸ばす「現代の国語」と、小説や古典、漢文を学ぶ「言語文化」に再編。文科省は「現代の国語」の教材には「論理的・実用的な文章」を求め、説明文や評論文、新聞記事、企画書、法令、契約書などを想定。「小説や詩などの文学的な文章を除く」としていた。 しかし昨年12月に同省が公表した教科書採択結果によると、8社17点のうち、芥川龍之介の「羅生門」など小説5作品を