極端に悪い聞き取り―オーディトリー・ニューロパシー 知的・発達障害と診断される子も 東京医療センター臨床研究(感覚器)センター名誉センター長 加我君孝医師 オーディトリー・ニューロパシー(AN)は、1996年に初めて報告された聴覚障害だ。同年に発表された2件の論文のうち、一方を報告した東京医療センター(東京都目黒区)臨床研究(感覚器)センター名誉センター長の加我君孝医師は「特に子どものANは、言葉の発達のためにも早期に発見して治療を行う必要があります」と話す。 ▽検査によっては正常に ANを発症すると、中、高音域は音として比較的よく聞こえるのに、言葉の聞き取りが極端に悪くなる。聞こえの程度を調べる純音聴力検査と、正確に聞こえているかを見る語音聴力検査で、内耳に障害がある難聴(感音難聴)とは異なる特徴を示す。 また、音を受け取る内耳に障害がないかを調べる歪(ひずみ)成分耳音響放射検査(DPO