新型コロナウイルスの影響で先行きの見通しが立てづらくなる中、ソニーが次の大きな一手を繰り出した。上場子会社のソニーフィナンシャルホールディングスを約4000億円かけて完全子会社化する。7月13日まで株式公開買い付けを実施し、65.04%の持ち株比率を100%に引き上げる。 5月19日の経営方針説明会で完全子会社化を発表した吉田憲一郎社長は「金融は、エレクトロニクス、エンタテインメントと並ぶコア事業で、長期視点で成長領域と位置づけている」と語った。 4000億円もの巨費をつぎ込んで完全子会社化するのは大きく3つの狙いがある。1つ目は吉田社長が「コア事業」と述べたとおり、ソニーの事業ポートフォリオ内で金融事業の位置づけを強化することだ。 自社の技術と金融事業の融合を加速 吉田社長は2018年の社長就任以来、「人に近づく」をキーワードに経営戦略を構築すると明言してきた。BtoB事業へのシフトが鮮