宮武和多哉の「乗りもの」から読み解く: 乗り物全般ライターの宮武和多哉氏が、「鉄道」「路線バス」「フェリー」などさまざまな乗りもののトレンドを解説する。 災害で致命的なダメージを受けた鉄道、奇跡の復活!──そう聞くと、地域の通学や生活移動に必要な鉄道の復旧に手を尽くすような、美談めいたストーリーが思い浮かぶ。 しかし実際には、「その鉄道は必要なのか?」「本当に生活交通の役割を果たしているのか?」という議論が高確率で起こる。こういった試練を乗り越え、利用の実績は少ないながらも、奇跡の復活を果たすローカル鉄道が相次いでいる。 2011年7月の新潟・福島豪雨で被災した福島県・新潟県を走る「JR只見線」(会津若松駅~小出駅間・135.2キロ)は、約85億円の復旧費用をかけて2022年10月に全線で運行を再開。2023年7月には熊本県の「南阿蘇鉄道」(立野駅~高森駅間・17.7キロ。熊本地震で被災)