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ブックマーク / sigehiro.web.fc2.com (1)

  • 尾張の殿様列伝

    近代的な中央集権国家をつくるためには、古い幕府時代の藩政をすべてご破算にし、版(土地)と籍(人民)を朝廷に奉還させ、政府が直接これを支配する体制をつくらねばならない。版籍奉還がそれである。 当時、新政府の中枢にあった長州の木戸孝允と薩摩の大久保利光が下工作を進め、土佐の板垣退助、肥前の大隈重信がこれに乗る形で明治二年(一八六九)一月二十日に薩長土肥四藩主による奉還の建白がなされた。 このとき慶勝には、なんの相談も意見の具申も求められず、いきなり建白書を見せられたときには、驚きより強い怒りさえ覚えた。 その前年、「慶喜が引退に応じるなら、尾張一国を差し出してもいい」と、人にも朝廷にも申し出ている。これは、いってみれば版籍奉還にも通じる考え方である。 「それなのに、無視同然とは」 慶勝はしばらく態度を保留し、二月二十四日になって、やっと奉還の奏上をした。 六月末までに二百七十四の藩すべてで版

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