それは、「人類の滅亡」という大きめのテーマについて話している時の言葉だった。 この前、外を歩いているときに、マスクに髪の毛が一本はさまった。それを取ろうとして、マスクを外して、髪の毛をはらった。その時は、何も感じなかったのだけど、その後、ふと、そこで感染してもおかしくなかった、と思った。 大きな出来事に対して、すごく日常的で、細やかなのに、それでも大きなこととつながっているような描写だった。 それは、作品も読んでみたくなるような言葉だった。 韓国の新鋭SF作家。キム・チョヨプ。あとで調べたら、1993年生まれだから、20代のはずだ。 「レンズマン」でのつまづき SFというジャンルは、そんなに熱心に読んだことがない。それでも、考えたら、子どもの頃に見ていた特撮モノも、スターウォーズを始めとした宇宙を舞台にした映画も、ジャンルでいえば、SFなのだと思う。 ただ、SF小説に限れば、「レンズマン」