集団間の対立とその解消 歴史を見てもわかるように、集団間における対立は幾度となく生じている。もちろん個人間における対立もそれ以上に生じているわけだが、集団が個人では到達できないような目標を達成するために形成されていることを考えれば、集団間の対立は個人間のものよりも規模の大きなものになり、社会的な問題に発展しやすいことがわかる。 そもそもなぜ対立が生じるのかについては、基本的な考え方として、シェリフらによる現実的利害の衝突がある。上述したとおり、集団は何らかの目標を達成するために形成されるが、その目標は他の集団の目標であることもある。複数の集団のうちひとつの集団がこの目標を達成すれば、他の集団はそれを手に入れることができない場合、そこには競争的な関係が生じることになる。つまり、外集団が自分たちの目標を達成するのに邪魔になる状況において、外集団に対する敵意や嫌悪感情が生じ、対立に発展するという